第1章:平穏にさよなら
第10話「学校にて」
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ですね...。」
バニングスさんと月村さんも弁当を見てそう言う。
「僕の場合は少し違うかなぁ...。料理しなければいけない状況だし。」
「...そう言えば、両親がいないって言ってたね。」
「あ.....。」
思い出すように司さんがそう言い、やってしまったような顔をする月村さん。
「...死んだわけじゃない。きっと、どこかで生きている。...僕はそう思ってるよ。」
「...そっか...。」
三人とも深くは詮索してこない。...むしろ、その方がありがたいからいいけどね。
「っと、しんみりしちゃったね。...そういえば、二人はどうしていつものメンツと昼食を取らずに僕らの所へ来たの?」
話を切り替えるようにバニングスさんと月村さんに聞いてみる。
「あー...なんというか...。」
「...先日、織崎君に魅了されていたと知ってから、ちょっと、近寄り難くなっちゃって...。」
「...そう言う事か...。」
ま、普通はいつものように接しられる訳ないわな。
「...僕からは何も言えないな...。僕は彼に対して一方的に嫌悪してる訳だし、好き勝手言えるような立場も権利もない。」
「え?そうだったのお兄ちゃん。」
「そりゃあ、無自覚とはいえ、周りの異性を魅了しまくってるんだよ?もし緋雪も同じように魅了されたら、僕自身何をしでかすか分からん。だから嫌いなんだ。」
「お兄ちゃん....。」
呆れたようにそう言う緋雪。え?シスコンだって?何か悪い?
「あはは...人格自体はそこまで悪い訳じゃないんだけどね...。」
「人間、生理的嫌悪とかする時があるから。...ま、あっちから仕掛けてこない限り、ひどい事はしないよ。」
仕掛けてきたらやらかしてしまいそうだけど。
「...お兄さんは、志導さんの事が大切なんですね...。」
「そりゃあ、大切も大切。だって、大事な家族なんだし。」
緋雪の頭を撫でながらそう言いきる。
「もうっ、お兄ちゃんたら...!」
恥ずかしそうに僕にそう言ってくる緋雪だけど、緋雪も嬉しそうだよ?
「....羨ましいな...。」
「えっ?バニングスさん、何か言った?」
バニングスさんが何か呟いたらしく、緋雪がそう尋ねた。
「な、なんでもないわ!頼りになるお兄さんがいて羨ましいとか、そんなの全然考えてなんてないんだから!....あ。」
「ふふ...アリサちゃん、全部言っちゃってるよ?」
「〜〜〜〜っ!!?」
ツンデレ的な性格なのか、あっさりと本音を自爆してしまうバニングスさん。顔が真っ赤だ。
「ちょ、ちがっ、そうじゃなくて.
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