第2話 その者、提督にして鉄の貴公子
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
フォース”があまり魔法の事は明かすべきでは無いと考えたからだ。
「人間の記憶が?そんな話は聞いた事が無いよ。」
「そうなのか?」
「うん。でも、もし僕の容姿の元になった人間が居たのなら、どんな子か気になるね。」
そうやって会話をしている間に2人は服を脱ぎ終え、浴室へと入った。浴室は普通の大浴場と殆ど変わらない見た目だが、湯の匂いは独特のものであった。
「変わった匂いだな。」
「艦娘を回復させる為の特別な薬品を使っているからね。それじゃあ、お湯につかる前に身体を洗おうか。やり方は分かる?」
「ああ。」
リインフォースは改変される前、何度か風呂に入った事があった。なので、髪の洗い方ぐらいは知っている。そう言うつもりで頭を洗い始めたのだが・・・
「ダメだよ。そんな乱暴な洗い方をしたら。」
時雨に注意されてしまった。
「そうなのか?」
「そうだよ。それじゃあせっかくの綺麗な髪が傷んじゃうよ。ほら、こうやるんだよ。」
すると、時雨はリーンホースの髪を洗い始めた。
「すまないな。」
「いいって。でも、リーンホースには人間の記憶があるって言うから、こう言うのは大丈夫だと思ったんだけど。」
「普通の艦娘はちがうのか?」
「うん。元々艦だった僕達は最初、人間の身体をどう扱えばいいのか分からなくて、よく苦労するんだ。」
「そうか・・・」
それを聞いたリインフォースは自分も苦労しそうだと思った。何故なら、彼女が人間と同じような生活をした体験は、改変される前に何度かあるだけだからだ。
そして、リーンホースは時雨の指導の下で頭と身体を洗い終えた後、一緒に湯船に浸かった。
「確かに、これは疲れが取れていいな。」
そう言いながらリーンホースが入渠を堪能していると、時雨がじっと自分を見ているのに気付いた。
「どうした?」
「いや、じっくり見てみたらリーンホースってスタイルいいなって思って。」
「そうか?」
「顔も綺麗だし、元になった人っていうのも、モテてたんじゃないのかな?」
「いや、人間の私はあまり外には出なかったからな。」
「引きこもりだったって事?」
「まあ、そんな所だな。」
夜天の書が闇の書に改変されて以降、リインフォースが表に出るのは闇の書が完成し、暴走する時であった。そういった時に周りに居る人間は彼女を倒そうと向かって来る人間ばかりである。当然、敵である彼らがリインフォースとお近付きになろうとする訳が無かった。
「ヘーイ!あなたが噂のNew face デスか?」
すると、浴室へ1人の女性が入って来た。ここに来たと言う事は艦娘なのだろう。
「ああ。スペースアーク級巡洋艦リーンホースだ。お前
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ