第2話 その者、提督にして鉄の貴公子
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る市民を見て気付いたのだ。俺のすべき事は軍人として彼らを守る事だと。だからリーンホース。市民を守る為、力を貸してくれるか?」
彼の言葉は少なくとも“リーンホース”には響いた。彼女の戦っていた時代では、連邦軍に彼のような高潔な軍人が少なくなっていたと言う事もあり、彼が輝いて見えたのだ。ゆえに、リーンホースは敬礼しながら答えた。
「分かりました。私のような旧型艦で良ければ、どうぞお使い下さい。」
「うむ。よろしく頼む。しかし、旧型艦とはどう言う意味だ?」
「私が最後に戦ったのは、UC0153なんです。」
「何!?君はそんな未来から来たのか!?」
「はい。その時代では私はもう旧型艦でしたから。近代化改修や大規模改装を行いながら戦っていました。」
「そうか・・・仕事が終わったら私の死んだ後、あの世界がどうなったのかを教えてくれるか?」
「かまいません。」
「ありがとう。ところで、深海棲艦と戦闘をしたとの事だが、どうだったかね?」
「勝てない相手ではありませんが、油断は出来ません。実際、油断したせいで一発被弾してしまいました。」
「被弾したのか。ならば、入渠して来るといい。時雨、案内してあげたまえ。何なら、君も一緒に入って来るといい。」
「はい。」
そして、リーンホースは時雨に案内され、入渠へと向かった。
時雨に案内され、リーンホースが来た場所は、脱衣所のような場所だった。
「何だか、これから風呂にはいるみたいだな。」
「それはそうだよ。お風呂だもん。」
「何?」
「艦娘にとっての入渠はお風呂なんだ。」
そう言うと、時雨は服を脱ぎ始めた。
「僕も一緒に入るから、分からない事があったら聞いてね。」
「ああ、分かった。」
そう答えると、リーンホースは服を脱ぎ始めた。そこでふと、脱衣所にある鏡に目を向ける。そこに映っていた自分の顔は、紛れも無く夜天の魔導書の管制人格である融合騎、リインフォースのものであった。
「やっぱり、自分の人間としての姿を見るのは新鮮な気分かな?」
すると、時雨が聞いてきた。
「新鮮な気分?」
「うん。僕も鏡で人間の姿になった自分の姿を見た時はそうだったから。」
その言葉を聞いて、リーンホースは違和感を感じる。
「時雨。お前の中には艦としての記憶しか無いのか?」
「そうだけど、リーンホースは違うの?」
「それは・・・」
時雨の答えに驚愕し、自分と言う存在に困惑しながら、“リィンフォース”はどう答えるべきか考えた。その結果・・・
「私の中には、今の私の容姿の元になった“人間”の記憶があるんだ。」
少しの嘘を織り交ぜることにした。その理由は、“リイン
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