第2話 その者、提督にして鉄の貴公子
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「置いておく?これは外せるのか?」
「そうだよ。」
リーンホースが自分の艤装を見ながら首を傾げていると、時雨達が艤装を外し始めた。それを見たリーンホースはどこかに取り外し用のスイッチが無いかを探す。すると、そんな彼女に明石が言った。
「普通に外れろって念じれば外れますよ。」
それの何処が普通なのかリーンホースは理解出来なかった。だが、リインフォースは騎士甲冑を外すのと同じ感じと考えたため、あっさりと外す事が出来た。
艤装を外した後、リーンホースは執務室の前まで案内された。
「ここが僕達の指揮官の提督の執務室だよ。ちょっと待ってて。」
案内役の時雨はそう言うと、扉をノックする。
「提督、ドロップ艦を連れて来たよ。」
「ああ。入ってきたまえ。」
扉の向こうから男性の声が聞こえた。時雨はそれに従い扉を開けて中に入ると、リーンホースを招き入れた。
執務室に入ったリーンホースが見たのは、デスクの席に座り、白い軍服を身につけた壮年の男性だ。おそらく、彼が提督なのだろう。その隣にはヘソ出しルックのスタイルのいい女性が居た。
「君が時雨達が発見したドロップ艦かね。」
「ああ。スペースアーク級巡洋艦リーンホースだ。」
「スペースアーク級だと!?」
リーンホースの艦種を聞いた提督は、立ち上がりながら驚いた。その様子を見た女性、秘書艦の天城が尋ねる。
「提督。彼女の艦種を知っているのですか?」
「ああ。何せ、彼女は“俺の居た世界”の艦なのだからな。」
「俺の居た世界?まさか、提督は宇宙世紀の人間なのか!?」
「そうだ。そう言えば、まだ名乗っていなかったな。私の名は“カムナ・タチバナ”だ。」
「カムナ・タチバナ!?」
その名を聞いたリーンホースは驚愕した。
「あの『鉄の貴公子』と呼ばれたカムナ・タチバナ中将なのですか!?」
「懐かしい呼び名だな。」
「しかし、タチバナ中将はコスモ・バビロニア戦争で戦死したハズ!それに、年齢も・・・」
「ああ。確かに老いぼれだった俺はあの時死んだ。だが、気が付いたら若返った状態でこの世界に来ていたんだ。」
そんな馬鹿な。とリーンホースは言おうとしたが、自分もそれと同じくらいありえない状態なのだという事を思い出し、口に出さなかった。
「その後、色々あって俺は軍に入って提督をやっている。」
「そうですか。ですが、タチバナ中将は何故ここの軍に入ったのですか?」
「それについてだが…その前に1つ訂正しておこう。ここでの俺の階級は准将だ。」
「す、すみません!」
「いいさ。それで、質問の答えだが。俺も最初は何故ここに来たのか分からなかった。だが、深海棲艦に虐げられてい
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