第2話 その者、提督にして鉄の貴公子
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抗出来るのは艦娘だけだからね。」
「艦娘だけ?どう言う事だ?」
「深海棲艦は人間とほぼ同じサイズでありながら、火力や防御力は実物と全く変わら無いんだ。その点は艦娘も同じだけどね。」
「だから、艦娘のみが深海棲艦に対抗出来ると言う訳か。」
この話を聞いて、リインフォースは何故ブラッディダガーが通用しなかった理由を理解した。別に深海棲艦が魔法を無効化するような力を持っていたのではなく、単に対人用の魔法であるブラッディダガーでは装甲を貫けなかったと言うだけの事なのだと。
「それで、リーンホースの処遇だけど、海上でドロップした艦娘は保護した鎮守府の戦力にするって決まっているんだけど、大丈夫かな?」
「そうだな。海を彷徨っても野垂れ死にしそうだ。深海棲艦とやらとも仲良くなれそうにない。仲間になるかは別として、ひとまずお前達について行くとしよう。」
こうして、リーンホースは時雨達に案内され、鎮守府へと向かった。
「リーンホースさん!見えて来たっぽい!」
夕立が前を指差しながら言った。リーンホースがそちらを向くと、陸地とその上にある赤煉瓦造りの建物が見えて来た。
「あれが鎮守府か?」
「うん。まずは提督に報告をしないといけないから、執務室に案内するよ。」
そして、リーンホースは鎮守府に入港した。
「お帰りなさい。その人がドロップしたと言う艦娘ですか?」
入港したリーンホース達を出迎えたのは、鉢巻を巻いてセーラー服を着た桃色の髪の少女だった。
「そうだよ。」
「スペースアーク級巡洋艦のリーンホースだ。お前は?」
「どうも、ここで艦娘の艤装の整備や改良を行っている工作艦の明石です。見た所、リーンホースさんの艤装には飛行甲板のような物がついていますが、スペースアーク級と言うのは艦載機を運用出来る航空巡洋艦なのですか?」
「確かに艦載機を運用出来るが、航空巡洋艦と言うのは何だ?」
リーンホースの居た宇宙世紀では戦場の主役はモビルスーツであった。その為、艦がモビルスーツを運用する母艦としての能力を持つのは当たり前の事になっていた。なので、モビルスーツの運用能力を持つ母艦を特別な艦種に割り振る事は無いのである。
「重巡を改装して複数の艦載機を運用出来るようにした艦です。リーンホースさんは違うんですか?」
「ああ。私は最初から艦載機を運用する事を前提に建造されたからな。」
「最初からですか?そんな事をするくらいなら空母を造れば済む話だと思うのですが・・・」
「あの、明石。提督を待たせているからそろそろ・・・」
すると、時雨が話を中断させた。
「あ、ごめんなさい。では、話の続きはまた後程。艤装はそこに置いておいて下さい。」
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