暁 〜小説投稿サイト〜
ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
フラダリカフェ
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「キミ……」


 ハルカはーー真後ろからの唐突な声(・・・・・・・・・・)に危うくビクッと怪しい反応をしそうになってーー緊張を押しとどめつつ振り向いた。

「なにか?」

 慌てて表情を取り繕い、問い返す。

「いや……キミの雰囲気に何か感じるものがあってね」
「は、はあ?」

 どうやら気づかれた訳ではないらしい。安堵と共に困惑を覚えながら、話しかけてきた赤い髪の男の人を見上げる。
 結構貫禄のある人だ。
 率直な感想を浮かべ、ハルカは男をみつめた。

「すまない。私は強そうな御仁を見ると何か来るものがあってね……思わず話しかけてしまうんだ」

 ーーこの人、危ない人?
 と思ってしまったハルカは悪く無いだろう。言っていることがオカルト過ぎてそう思うのも無理はない。
 まあこの世界には一癖も二癖もある人は沢山いるからそんなところだろう。とハルカは結論付けた。

「あの……?」
「ああ、私としたことが名乗るのを忘れてしまった」

 そういうことじゃないんですけど!?
 何と無くペースに巻き込まれている気がして嫌になるハルカだが、彼女は続くその名を聞いて驚愕することになる。


「私の名はフラダリ。このカフェのオーナーをしている者だ」


 ハンサムからその名前だけはよく聞かされていた。

 ーー曰く、要注意人物……とのこと。



***



「では始めようか」

 ハルカはフラダリとバトルフィールドを挟んで向かい合っていた。
 何故そんな状況になっているのかというと……
 ひとえに相手のペースに巻き込まれた部分が大きい。

 ーー私とポケモンバトルをしないか?
 ーーまあ良いですけど。
 ーーではついて来てくれ。

 店の裏口から出て、すぐにあった扉を開けると立派なバトルフィールドが広がっていた。
 いやに近代的な施設で少し疑問を抱くハルカだがその時……自身の決定的な過ちに気づいた。

(私のバカー!偵察だけだっていうのに敵の本陣に踏み込んでどうするのよー!)

 よく考えてみれば、『フラダリ』とは偵察対象の親玉の疑いもある超超危険人物だったー!
 ーー気づいた時にはもう遅い。
 今更その事実を思い出し心の内で叫ぶ。元はといえばユウキの事で頭がいっぱいで話を聞いていなかった自分が悪く、もうどう見ても自業自得なのだった。

「使用ポケモンはお互い一体ずつで良いかな?」
「あ、ああ!はい!大丈夫です!」
「ハハハ、別に緊張することはない。私はキミの戦いを見てみたいだけだからね」

 緊張といっても方向性の違うものなのだがわざわざ言及する必要はないだろう。
 切り替えないと……そう思って表情を引き締めた。

「良い顔だ!
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