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詩集「棘」
憂う心はとめどなく

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十月の始まりは冷やかに
なぜか物悲しい朝の光
不安…寂寥…そして嫉妬
僕はどうしてこんなにも…

川面を照らした十六夜は
恋しさに喘ぐ心を映す
どんなに待っていたとしても
意味なんて無いと…
知っているのに…

憂う心はとめどなく
君の温もり求めてる
一人で見渡した山波のグラデーション
どことなく…物憂げで…


息苦しい人間関係は
僕を夜の闇へと引きずって
心を裂いて…頽れて
君だけを強く求める…

静かに流れる白い雲
光を遮り陰を落として
僕の上を通り過ぎてく
どこまでも遠く…
とても自由に…


憂う心はとめどなく
君の名前を呼び続け
ふとした瞬間に愛しさが溢れ出して
胸の中…叫んでる…

秋が深まる物寂しい
どこか懐かしいような夕焼け
君はどこで見ているんだろう…
僕の隣は…空虚なまま…

憂う心はとめどなく
君への想いで満ちてゆく
夕に伸びてく細長く色濃い影は
哀しみを…写し出し…

憂う心はとめどなく
君の温もり求めてる
一人で見渡した山波のグラデーション
どことなく…物憂げで…




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