Fate/stay night
1118話
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俺と凛、そして俺の血が何らかの影響を与えたらしい美綴は、無事に家へと戻ってきた。
取りあえず帰ってくるまでに気絶した美綴を背負っている俺に対して、怪しげな目を向けてくる奴はいなかった。
これも凛のおかげではあるな。
その凛はと言えば、呼んだら自分の部屋まで美綴を運んでくるように言ってから、自分は先に部屋へと向かって何やら準備を行っていた。
雪とかは降ってなかったから濡れてはいないけど、その代わりに冷たい空気はかなり厳しい。
2月というのは、春に向かって最も冷える時期だ。
それこそ、12月とかの方がまだ暖かいくらいに。
そんな中で気絶したままここまでやって来たんだから、美綴の身体はかなり冷えている。
本当なら、風呂に入れるのがベストなんだけど……気絶している状態から意識を取り戻させると、間違いなくまた暴れ出すからな。
取りあえずということでソファへと横にしておく。
そのまま10分程が経ち……
『アークエネミー、綾子を連れて私の部屋に来て頂戴。ああ、コートの類は脱がせてね』
『……俺に美綴のコートを脱がせろ、と?』
気絶している同級生のコートを脱がせる。傍目から見れば、どう考えても変質者にしか思えない光景なんだが。
『いいから、早く! このままだと綾子がどうなるか分からないのよ!』
だがそう言われれば、俺としても躊躇う訳にもいかない。
俺が躊躇ったせいで、美綴が死んだりしたら目も当てられないし。
『それに、アークエネミーにはもっと恥ずかしい事をして貰うんだから、そのくらいで照れたりしないでよね』
……俺に何をさせる気だ?
そう思いつつも、取りあえず美綴をどうにか出来るのが凛だけとなると、その言葉に従う以外の道はない。
「悪いな、美綴」
そう告げ、美綴の着ているコートをそっと脱がせていく。
コートをソファの背へと適当に掛けると、そのまま横抱きに美綴を抱き上げ、廊下を進む。
やがて見えてきた凛の部屋は、扉が開いている。
「凛、入るぞ」
「ええ。綾子はベッドの上に寝かせて頂戴。……意識を取り戻す様子は?」
「今のところはないな」
「そう、良かった。……じゃあ、まずこれから何をするかの前に、どうして綾子がこうなったかの説明からしましょうか。幸いここまで運んできてくれたから、綾子の方にもある程度の余裕が出来たし」
凛のベッドに美綴を寝かせると、宝石を何個か美綴の身体やベッドの上、あるいは床に置いてから、何故か頬を薄らと赤くして告げる凛。
男を部屋に入れるのは初めてとか、そういう理由か?
「ああ、頼む」
「……まず大前提として、綾子はアークエネミーがライダーに負わされた傷から飛び散った血を飲んでしまったの」
凛の言葉に、
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