Fate/stay night
1118話
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美綴の顔に何滴か俺の血が付いていたのを思い出す。
「そうだな、確かにそういう風に見えた」
そこまで言ってから、何故今その事を話したのかに気が付き、そして凛が美綴の顔に付着していた俺の血をハンカチで拭った後に宝石を包むようにしていたのを思い出す。
「おい待て。つまりそれって、美綴がこんな目に遭った理由は……」
「ええ、そうよ。アークエネミーの血を飲んだから」
「ちょっと待て、本当に待て。……いや、だって血を1滴飲んだだけだろ? 何でそれであんなに苦しむ? 俺の血ってもしかして毒だったりするのか?」
「惜しいけど違うわね。確かにアークエネミーの血は下手な毒よりも凶悪よ。ただし、それは……血の中にあんたの魔力が入っているから。それも、尋常じゃない程に濃縮されている状態でね」
「濃縮?」
「そう。それこそ、ちょっと洒落にならない程の濃度の魔力よ。恐らく魔力EXやスキルの魔力生成の影響だと思う。ともあれ、普通の魔術師にしてみれば色々と魅力的な素材に見えるかもしれないけど、幾ら身体を鍛えているとしても一般人でしかない綾子にとってみれば、致命的な毒でしかないの。……まぁ、それでもこうして何とか死なないでいられるのは、身体を鍛えていたおかげかもしれないけど」
小さく溜息を吐き、新たに指先程の小さな宝石を幾つかベッドの周囲に配置していく。
「じゃあ、美綴はこのまま?」
「そんな事はさせないわよ!」
反射的に言い返してくる凛。
何だかんだと友人思いではあるんだよなと安堵しつつ、話の先を促す。
「ならどうするんだ? というか、どうにかなるのか?」
「ええ。もっとも、かなりの賭けに近いものがあるけど。このまま大人しく時間が過ぎるのを待っていれば綾子が死ぬわ。だから、その前に何とかするしかない。やる事は簡単よ。まず最初に、私とあんたの間にあるパスを今までよりも太く、丈夫なものにする。これは……その、まぁ、手段は後で教えるけど、とにかく私とあんたのパスを太くしたら、次はあんたと綾子のパスを太くする。こうする事によって、綾子の体内にある魔力をある程度制御出来るようになる筈よ」
何故か顔を真っ赤にしながら告げる凛が、どこか落ち着かない様子で……更に顔を赤くしながら説明を続ける。
「そして、最後に……私とあんた、綾子の3人のパスを同一にするように調整するわ。色々と恥ずかしいものがあるけど、私としてはこの手段しか知らないのよ」
「……恥ずかしい?」
「そうよ! えっと、ちょっとここで待ってて! 準備をしてくるから。綾子の方は数時間程度は宝石のおかげで問題ない筈だから!」
がーっと勢いに乗ったまま告げると、凛は部屋を出て行く。
いや、準備って……その間、俺は何をどうしろと?
周囲を見回すと、さすが
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