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でしょうか……?」
「そう構える事はありません。 これは臨時兵士の面談結果の通達と提案です」
「通達と…提案?」
今更なんの通達があるのかと思い、自分は首を傾げた。
面談の内容はもう絶望的だと思っていたが、そうではなかったのだろうか?
「デトワーズ皇国国王エルザ・ミヒャエラ・フォン・デトワーズ姫陛下による私的な面談の結果、貴方様を臨時兵士としての申請を簡略的に許可されました…すなわち傭兵としての雇用を認めるものとします」
「え……」
その言葉に自分は一瞬理解が遅れた。
一つ一つ言葉を理解していけば、その意味がとてもシンプルに自分の頭の中でまとまった。
―――雇ってもらえるのだ。
そう理解した途端、自分の心の中は満面喜色になった。
「ほ、本当ですか!?」
「嘘偽りなく本当です」
しかし、とメイドさんは言い淀んだ。
「身を持って体験したでしょうが、姫様の面談の仕方がかなり……ゴホンッ、少々問題があると言わざるを得ません」
「あっ、はい」
こればかりは自分は建前抜きで即答した。
そりゃそうだろう。
アレが面談であると言うのなら、恐ろしく斬新で、暴力的で、そして傭兵稼業なんてひっそりと路地の裏へと引っ込んで行ってしまう。
「面談の結果、臨時兵士として採用しますが、扱いはあまりよろしいものではありません」
「えと……採用されたのなら、扱いなんてどこも一緒じゃないですか? 傭兵、なんだし」
少なくとも今までの経験からして、傭兵として雇われたら大抵は一つの部隊にまとめられる。
傭兵団であれば一個の部隊として扱ってくれるだろうけど、それを除けば個人か少数グループを一緒くたの寄せ集め部隊扱い。
階級差なんてご立派なモノもなければ、隊長なんてものもない。
だから扱いなんてどこも一緒だと思う。
「デトワーズ皇国における臨時兵士の役割は、“国境線の前線維持”を目的としています。 その役割は主に三つに分けられます」
メイドさんはそう言って三つ指を立てた。
一つずつ指を畳んでその役割をそれぞれ説明すると、だ。
一つ、哨戒と遭遇戦を担う者。
一つ、予備戦力として拠点防衛を担う者。
一つ、物資の整理と管理を担う者。
三つ指全てを畳んだ所で説明は終わった。 実にシンプルな三つの
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