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て、そして殴り倒される事になったのだ。
でも、別にそれを根に持っているわけではない、むしろまた会えた事が嬉しくすら思った。
メイドに会えて嫌な訳がない。
「あ、どうも」
軽く会釈して答えた。
メイドさんは体調の事を気にかけてくれたようだ。
一応起き上がれる程度には元気ではあるけれど、胸板がズキズキと痛む…。
「あんまり大丈夫…とは言えない、気もしますけど……おはよう、ございます?」
「おはようございます。 気を失われる前の記憶はハッキリしてますでしょうか?」
はい。 バッチリ…ほどじゃないけど、悪夢で見る程度には覚えてます。
あれが夢だったらと思えたらよかったけど…どうやら夢じゃなかったようだ。
「えと……殴られたんですよね? 面談の場、だったと思ってましたけど」
「…騙すような形になって申し訳ございません」
メイドさんはこれに深々と頭を下げて謝罪してきた。
世間一般様からすれば、傭兵は商人よりも金の亡者とも、チンピラと同じくらいに荒っぽいとも、ただの愚連隊としか思われないものだ。
大体が冷たい態度、もしくはそっけない態度、酷ければ追い返されたり…まではしない、逆上して襲われたくないから、そこまで酷い態度にはならない。
当たり前だが、こんな自分でも「傭兵であります」と言えば世間一般様はあまりいい顔をしてくれない、特に女性相手には。
なのに、そんな傭兵を相手に、メイドさんは礼を尽くして頭を下げてきている事に、自分はかなり驚いた。
「この度は、姫様の戯れに巻き込んでしまいました」
「戯れ…ですか?」
「姫様は時々暇を持て余しているとああいった事をされるお方で、臨時兵士をする方に目をつけてはこういった呼び出しをするのです。 それが今回、貴方様だったと言うわけです」
「え…」
戯れって、難しく言ってるけど、それってつまり…気まぐれ?
姫様に呼び出されたのも、最初から殴られるためだけに?
てことは……僕、殴られ損?
………ちくせう。
「そんな顔をなさるのも当然です。 理不尽だと思いますでしょう」
「えぇ、まぁ……」
「さて、ここからが本題なのですが」
自分でもわかるほど渋い顔をさせてるのを尻目に、メイドさんは話を切り替えてきた。
とても冷静で、恭しく謝罪してきた時と変わらずにフラットな態度のまま言葉を続けてきた。
「姫様の言葉を代弁して、貴方様にお伝えする事があります」
「ひ、姫様が…僕に…? ま、まだ何かあります
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