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し…なるほど、中々に愉快だ」
「え……あ、ちょ…どこ行くんですか!?」
真っ白コートの女性は自分の言葉に返事する事なく、自分の世界に入っているかのように独り言をしながら立ち去って行った。
ポツンと取り残された自分は、物凄く置いてけぼりにされたような気がした。
訪ねようと思っていた人は今しがたどっかに行ってしまい、仕方なく自分で自分の状況を確かめる事にした。
そして思う。
「……僕はどうしたんだろう?」
自分の事ながら自分で状況が掴めない。
ここはどこ?私は誰…とまでは言わないけど、記憶の前後…気を失う前の状況と、今いる自分の場所と結びつかなくて余計に混乱してきた。
真っ白なシーツ、ちょっと硬めのベッド、ちょっと眩しいくらいに明るくてとても清潔そうな部屋。
周りの様相を確かめようにも、視界を遮るようにカーテンみたいな布が吊るされていてその向こうが見えなかった。
見れば見るほどに不思議だ。
玉座の間でも別世界のように感じられたのだが、ここはちょっとした異世界のように思えた。
「(ここ……まだデトワーズの中、なのかな?)」
自信がない。
何しろ日常から別世界に続いて、意識が飛んで異世界(のような所)だ。
これが死の果てにある世界だと言っても不思議でもないかも知れない………って自分で言って怖くなってきた。
「(し、死んでないよね…? 僕…確かあの時………っ…!!)」
思い出して戦慄した。
―――僕は、デトワーズ皇国の姫陛下に殴られたのだ。
記憶を探って出てきたのは、気絶する直前までの場面。
そして出てくるのは凄まじい一撃で叩き伏せられた事実。
もうショッキング、という言葉だけでは済まされない出来事。
つまりどういう事かと言うと…。
「(あれは……死ぬほど痛かった……)」
まだ打ち込まれた胸板がズキズキと痛む、ような気がする。
本当に死ぬかと思ったのだから、その生々しさは感触と残っている。
正直トラウマになりそうである。
「(姫様が……女の子が、やったんだよね…?)」
信じられない事に…年下の女の子がそれをやったと言う事だ。
一体、あの可愛らしい体躯のどこにあれほど凄まじいパワーが秘められているのか…首を傾げてしまう。
そして、殴られたという事実を再確認して、自分は深く落ち込んだ。
「僕…失敗しちゃったのかなぁ……」
姫陛下に…このデトワーズ皇国で一番偉い人に殴られた……それはつまり、面談の結果
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