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「……はぅおっ!?」
目覚めは突然だった。
自分でもビックリするくらいの目覚めの悪い起床。
ショッキングな体験の続きでもするかのように尾を引いて、変な声を出しながら飛び起きた。
痛い夢…いや、悪い夢…もとい、怖い夢でも見ていたようである。
「あれ? もしかして、もう起きたのかい?」
「ひぁあっ!?」
すぐ傍で横から声がして、思わず体がビクッと反応した
思わず身構えて変な体勢になりながらも、声がする方を向いた。
そこにいたのは妙齢の、そしてかなり特徴的な女性だった。
真っ先に目に付いたのは、病的なほどに真っ白の服。
羽織るようにして着ているソレは、コートとは違い旅用にも外出用にも見えず、装飾的な意味合いを一切合切排除しているかのような白一色で、珍しい黒髪のロングと相まって大雑把なコントラストになっている。
何やら棒みたいなモノ――煙が無いから、煙草じゃない?――を咥えていて、三白眼を驚いたようにやや大きく開かせていた。
……誰ですか?
「あの、ここは…?」
「ああ、黙ってて。 死にそうなのか脈を診るから」
「っ……!?」
真っ白コートの女性に手首を握られた。
女らしい柔らかい指先がグッと手首に押し付けられて不意にドキッとした。
死にそうだ、とか言われたのも加えて、言葉を失った自分は指先で抑えられた手首がやけにドクドクと血の流れが生々しく感じた。
「名前は言えるかい?」
「えと……レ、レヴァンテン・マーチン…です」
「あ、そう」
問われたから素直に答えたのにこの素っ気無さ!
何か虚しくも切なくなりそうな気 分になりそうな自分をよそに、白コートの人は勝手に次へと進めた。
テキパキと何やら体をまさぐられては、板に張り付いた紙に何か書き込んでいってる……あいたっ、なんか針みたいなので刺されて……うぇあっ……血を抜かれた……痛い。
それから目から何か眩しいのを当てられたりして…うぇっ…舌を何かで押し当てられてマジマジと見られた。
なんか手慣れた風に体のあちこちを弄ばれた感を覚えたが、それが何を意味をするのか起き抜けの頭では理解が及ばなかった。
はて……一体どうなってこうなったんだろうか?
「あの…」
「健康状態に異常なし、肉体の損傷は打撲程度で骨折なし、内臓損傷もな
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