四十一話:決闘と日常
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そう冷たく言ってサーベルを突きつけるエクスヴェリナ。
ジークは突き付けられた先にある自分の体が本当に突き刺されたかのように熱くなるのを感じる。
まずいと分かっているが逃げるわけにもいかない。
最悪、エレミアの神髄に頼ってでもと思った所で声を掛けられる。
「一応警告をしておこう。エレミアの神髄はもう使うでない」
「……あんたに言われる筋合いはない」
「まあ、聞け。命の危険が迫った時に発動するあれは恐らくは免疫機能に似たものだ。持ち主の都合を考えずにただ外敵の削除をする、な。今の状態で使えばその腕が壊れるまで使うであろうし。例え腕が持っても確実に敵を殺すまでか魔力が空になるまでやるであろうな。格下相手には有効でも格上相手ではいたずらに疲労するだけだ」
そう長々と説明されて苛立ちが積もるものの何も言い返せない。
相手を壊すつもりなら無茶をして使ってもいい。
だが、それではリヒターが助からない。本末転倒なのだ。
悩むジークをよそに一歩ずつエクスヴェリナは近づいて来る。
「それにあの技には思考がない。だからこそもっとも確実に相手を破壊できる必要以上の威力の技を使う。敵を倒すためならそれこそ汝の技だけでも十分なのにのう。頭の無い奴はカウンターを行うには絶好の相手よ」
「うっ……でも、私は負けられんのよ」
「はなから逃がす気など毛頭ないわ」
サーベルを高々と振り上げて獰猛な笑みを浮かべるエクスヴェリナにジークは歯を食いしばりながら構えを取る。
そのまま一瞬とも永劫とも思える時間が過ぎる。
傷ついた右腕から血が一滴零れ落ちたと同時に両者が動き始める―――
(いい加減にしろぉぉおおおッ!!)
「なっ!?」
「隙ありッ!」
一日ぶりに聞こえるリヒターの声によってエクスヴェリナの動きが止まる。
それをチャンスと思ったジークが鋭い拳を腹部に叩きこみ地面に叩き伏せる。
因みにジークにも声は聞こえていたが敢えて無視をして攻撃を行った。
「くっ…体の主導権を奪いかけられたか」
(ぐおおっ! なんで殴られるタイミングで痛覚を共有してしまったんだ!?)
今回の声もしっかりとジークには聞こえているが後で責められたくないので聞こえないふりをする。
シリアスブレイカーここに復活を果たす。
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