四十一話：決闘と日常
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と見て一気に前に踏み込み得意の関節技に持ち込もうとするジーク。
「甘いわッ！」
「なっ！？」
のけ反ったままの状態で右のサーベルが投擲される。
思わず声を上げ回避のために立ち止まる。
止まったのは一瞬だけであったがその一瞬で十分であった。
すぐさま体勢を立て直したエクスヴェリナは機動力を削ぎ落すためにジークの脚目掛けて剣戟を放つ。
ジークは舌打ちしながらバックステップでそれを躱し距離を離す。
そしてすぐさま射撃の構えを取る。
「剣士に対して距離を取るのは間違いではないが―――今回は下策ぞ」
「斬撃を飛ばしてきた！？」
サーベルに青い魔力光が灯ったかと思うと鞭のように振るい無数の斬撃を飛ばして来る。
勿論本物の斬撃ではなく魔力で作った刃ではあるが意表をつくにはもってこいである。
ベルカは近接魔法が主とされているが別に遠距離魔法がないわけではない。
工夫さえすればどうにでもなるのだ。
「くっ！ 撃ち落としたるわ！」
驚いたものの普通の砲撃などに比べれば威力は低いので落ち着いて撃ち落としていくジーク。
だが、彼女は撃ち落とすのではなく回避するべきであった。
なぜなら―――
「戦場全体を見渡さねばすぐに死ぬぞ」
「しまっ―――！？」
斬撃と砲撃がぶつかって起こった煙に紛れて移動してきたエクスヴェリナが後ろで剣を振り下ろそうとしているのだから。
目の前にまで迫った死に彼女の思考は止まる。
否、止めさせられたのだ。己の命を守る為に―――エレミアの神髄が発動したことで。
「白刃取りとは…ッ。楽しませてくれる！」
「………ッ！」
自身の剣が受け止められたことに楽しそうな声を上げる彼女に反し、ジークはただ無表情で鉄腕を構えるだけだった。
そのことに少しつまらなさそうな顔をしてもう一本のサーベルを拾う。
それを隙だと判断したジークは獣が如き動きを見せ一瞬で彼女の背を取る。
そしてただ力で押しつぶさんと鉄腕を振るう。
「……ガイスト・クヴァール」
命を刈り取る鉄の爪が大地を削り取る。
エクスヴェリナは間一髪のところで身を捩じらせて回避に成功したが服が破け散ってしまう。
そのことに苦々し気に舌打ちをしながらも剣を振るう。
だが、エレミアの神髄状態であるジークは怖い物など何もないと言わんばかりに圧倒的な力であたりを蹂躙しながら突き進んでくる。
「ええい、融通の効かん技よのう」
「……ッ！」
襲い来る猛攻を何とかさばきながらどうしたものかと考える。
エレミアの神髄には最低でも500年分の技と経験が詰め込まれている。
エクスヴェリナ自身も600年近く生きている（？）わけではあるが戦闘自体は行えなかったので
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