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リリカルビィト〜才牙と魔法が交わる物語〜“改稿版”
七十四話、ハロウィン
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械人形の老婆が姿を表した

そして龍也の事をカメラの目で見つめた後に電子音声ではあるが話しかけてきた

『おやおやこんばんは、ピエロさんが何のようだい?』

「えっと、Trick or Treat……?」

予想外の人形の登場に驚きながらも龍也はハロウィンで子供がお菓子を貰うために発する言葉を老婆へと口にする。それを聞いた老婆は少しの間の後に腕を動かし、龍也へと小さな包み紙を手渡してきた。それを開いてみると、中にはいくつかの飴玉が入っていた

『ハッピーハロウィン。少ないけどこのお菓子で許してね。よかったらまた来年もおいでよ?』

電子的ではあるが、どこか優しさを感じる音声で話した後に老婆型の人形はその扉を閉じる

それからすぐに口を開いたのはクロノだった

「……なんで僕だけダメなんだ……」

「えっと……これって束さんが作ったもの?」

「あぁ。せめて形だけでもって考えで束さんが作ったハロウィン疑似体験マシーンだ。内容としてはさっきみたいにインターホンを押した後に合言葉を言えば一定確率でお菓子が貰えるか、お菓子があげられないと言ってイタズラを受け入れるか逆にイタズラしてくるっていう仕組みらしい……」

「優衣はお菓子貰った〜♪」

優衣が自慢するかのように先程龍也が機械人形から手渡されたものと同じ包み紙に入った個別梱包されたクッキーを見せる。周りを見回してみれば一夏やフェイト達の手にもその包み紙を見ることができ、楽しそうに話していた

「で、さっきの話を聞くにクロノはイタズラされている感じってこと? 見たところ小道具が焦げてますけど……」

「あぁ……僕以外にもイタズラになった人がいないわけではないけど、その場合はもう一度やったら大体お菓子をもらってる……だけど何故か僕だけは何回やってもイタズラしかされないんだ……」

「……それって特定人物は結果が固定されてるか、またはある程度からは同じ人物だからってオチじゃ……」ボソッ

「一夏、ここで、あえて言わなくても良いと思うぞ?」

よほど悔しいのか声のトーンを上げながらの説明を受け一夏が思ったことを呟くが、千冬がそう言って突っ込む

幸い、クロノには聞こえていなかったようで再度チャレンジするためにマシーンの扉の前に立った。それを見た瞬間、近くにいた龍也達はなにかを感じて反射的にクロノから距離を取り、その後インターホンが押された

「trick 『騒がしいKY狼さんや、物事には限度というものがあるのは知っているよな?』……へ?」

インターホンが押されたことで再び機械仕掛けの老婆が姿を表す。だが聞こえてきたのは電子音声とは違う、どすの聞いた声になっており、人形の両手は先程龍也が押した時とは違ってまるで連続して投球が行えるピッチング
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