暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第36話:趣味を語る仲間が居るのは幸せ
[2/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
て、俺も描きたくなったんですよグランバニア城を」
そう言うとウルフさんは既に描きだしており、その緻密なスケッチで私を唸らせる。
「正直言うと俺……あの城が好きじゃないんですよ。中は閑散としてるクセにムダにデカイ。中で働く人間の身にもねれっての(笑)」
「は、はぁ……」
何と言えば良いのか……
「陛下にね『閑散としてるから絵画とかを買え』って言うんですけど、何て言い返すと思います?」
「さ、さぁ……私には陛下のお心は……」
そんな雲の上の方の考えなんて解らないわよ!
「相当数の絵画や彫刻が無いと賑わう事ないのに『お前が描け』って言うんですよ。馬鹿なのかケチなのか……きっと馬鹿なんでしょうね、俺にそんな時間はねぇっつの(笑)」
「は……ははは……」
ウルフさんは笑いながら陛下の事を馬鹿という。私は引き攣りながら笑うしか……
「ん……どうかしましたか?」
戸惑ってる私が気になったのかウルフさんは顔を覗き込む様に話しかけてきた。
「い、いえ……その……陛下の事を悪く言うのは……その……如何かと……」
「あぁそうか! ごめんなさい、何時ものクセで」
「い、何時ものクセ!?」
普段から陛下に対して陰口を言ってるって事!?
「俺さ、あの人が国王だって知らない時から付き合いがあってさ……その当時から気さくに話をしてくれたし、何より俺に迷惑をかけてきたから、相当
公
(
おおやけ
)
の場でじゃない限り、こんな口調で会話してるんだよ。本当にトラブルメーカーだけど器の小さい人じゃないからね」
「そ、そうなんですか!?」
それって凄く信頼されてるって事よね。
じゃぁあの噂は本当なのかしら? ちょっと尋ねてみようかな……
「あの……ウルフさんって……リュリュ姫様と婚約関係にあるって本当ですか!?」
今巷の噂である二人の関係……
先週ウルフさんと出会った事を寮の友達に話したら、瞳を輝かせて教えてくれた噂だ。
「はぁ〜……それね」
やっぱり悪い事を聞いたのかしら?
ガックリと肩を落とし力無く話し出すウルフさん。
「この間“シージャック事件”ってあったでしょ」
「……あぁ、あった様な気がします。詳しくは知らないんですけど……」
私はどちらかと言えば世の中の出来事に疎い。それでも“シージャック事件”の事は耳にしてる。
「あの時さ……運悪く俺、ジャックされた船に乗り合わせてたんだよね」
「えぇ!? そ、そんな危険な場所に居合わせて大丈夫だったんですか!?」
「う、うん。大丈夫だったからここに居るんだけど……」
「あぁそうか……」
「……でね、何かあった時用に陛下から通信装置を渡されてて、それを使って犯人達を罠に嵌めたんだ。その時に“俺はリュリュ姫のフィアンセ”って広言しちゃってさ……そ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ