第六十六話
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又しても遅れる事になる。
それでも何とかアインクラッドの攻略を続けたある日、アスナからメールが入る。
メールで話すような用件ではないので時間が取れないかと言う事だ。
とりあえず了解のメールを返信し、指定したレストランで待ち合わせる。
「待たせたわね、アオ、シリカ」
アスナは挨拶をするなり、回りに誰も居ないかを確認したようだ。
この店は第十八層でも穴場的な店で、利用者は俺やシリカ、クラインとSOS団の連中くらいな物だ。
「アスナさん、お久しぶりです」
「久しぶり、アスナ」
遅れて現れたアスナに俺とシリカは挨拶を返した。
軽食を頼むと、待ち時間無くNPCが品物を運んでくる。
運んできたソフトドリンクで唇を湿らすと、アスナが今日の本題を話し始めた。
「レッドギルド『ラフィン・コフィン』は知ってるわよね」
「……はい」
シリカが余り気持ちの良い話題ではないと思いながらも肯定の返事を返した。
「彼らのギルド本部らしき場所が先日発見されたの」
へぇ、ギルド本部なんて物を持てば足が着く物だと思い、どうしているのかと思ってはいたのだが、続けたアスナの話では低階層の攻略済みのダンジョンのセーフティエリアを根城にしているらしい。
「それで、用件は?」
何となく聞かなくても分かるけれど…
「幾つかの攻略ギルドと、有志のソロプレイヤーでラフィン・コフィンのギルド本部の強襲、及び捕縛する事になったの。ここで彼らを壊滅させて置かないと迷宮区攻略にも支障が出るかもしれないから…だからあなた達…ううん、アオにも協力して欲しいと思って」
「お断りします」
「ええ!?」
「はやっ!」
今の驚きは前者がアスナで後者がシリカだ。
「……どうしてか、聞いてもいい?」
アスナが食い下がった。
「攻略自体の遅延はそれほどでもないし、彼らは基本高レベルプレイヤーを襲わない。彼らは弱者を屠ることで愉悦を感じる集団だ。自分達の命のやり取りをしたい訳じゃないからね」
非常なようだが、この世界では自分の身は自分で守らねばならない。
さらに…
「相手の捕縛ってどうやるの?ギルドの壊滅って?」
その俺の問いに苦い顔になるアスナ。
「圧倒的な力量差を見せ付けて抵抗を奪った所で回廊結晶で黒鉄宮の監獄エリアにでも送る?でも相手も必死に反撃してくるよ?相手は人殺しを厭わない集団なんだよ。そんな集団を壊滅させる方法って?」
「………」
押し黙ったアスナ。シリカも俺の言葉で沈黙する。
「手っ取り早いのは殺す事だね。相手を殺すことも作戦の視野に入っているでしょう?」
「……うん。でもそれは仕方ないじゃな
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