第六十六話
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世界の中で一つだけ良かった事をあげるとすればいくら食べても太らない事だな」
「ちょ!ピナ!あなたのはこっち!それはあたしの!ああつ……ピーーーナーーー!」
隣でチキンをピナと格闘しながら頬張っているシリカを眺めつつ一人ごちる。
好きなときに好きなだけ食べても太らないし虫歯にもならない。
だからお金さえあれば好きなだけ暴飲暴食できると言うわけだ。
「いや、なんでもない。ほれ、クゥ、君も食べる?」
「なうっ!」
クゥにも一切れチキンを渡すと、おいしそうにかぶりついた。
和む…
シリカと何気ない会話をしていた時にピコン脳内でメール着信音が鳴り響く。
「メールだ」
「あ、私にも来てます」
2人同時となるとアスナかクラインくらいしか居ないのだけど。
SOS団は基本的に俺にメールしてくるし。
俺は右手を振ってメニューウィンドウを出し、メールのタブをクリック。
表示される未開封メールを読む。
「あ、クラインさんからです」
メールの内容はっと…
待ち合わせのレストランでNPCが運んできた夕食をつまみながらクラインの話しを聞くと、クリスマスMobは存在し、蘇生アイテムはあったとの事。
しかし肝心の蘇生アイテムはというと。
「還魂の聖昌石…か」
クラインから手渡されたアイテムを手に取り、確認する。
「効果は何なんですか?」
シリカがクラインに尋ねた。
「本物の蘇生アイテムだぜ?だがよ…それはキリトが欲しかった物じゃなかっただけだ」
キリト…か。
そのプレイヤーの噂は聞いている。
ソロプレイヤーで巷ではその装備から『黒の剣士』と揶揄されている。
直接話したことは無いけど何回か見かけたこともあるが、何処か刹那的な雰囲気があり、俺は近づきたくない。
話を聞くと、そのキリトはソロでクリスマスMobを打倒したらしい。
とは言え、クラインが他のプレイやーが乱入しないようにお膳立てをしたようだが…
キリトがクリスマスMobを打倒して戻ってくると、出待ちしていたクラインにボスドロップのそのほとんどを渡した後去っていったらしい。
「蘇生猶予が全損から数秒じゃあね」
アイテムの説明書の要点を掻い摘んで一人ごちる。
「それはアオが持っていてくれ」
「いいんですか?」
蘇生時間が10秒だが、この世界ではありえないくらい重要なアイテムだよ?
それを?
「ああ。オレは複数の命をあずかるギルドマスターだ…だからこそ持てねぇ…」
一度目は良い。
だけど二度目は?
どうして彼を助けられなかったのか。
どうした使ったのが前の彼なのか。
あとは内部分裂するだ
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