第三十三話 上村中尉!ディオラマも芸術だ!!その六
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レンタルビデオショップに入店してだ、店の兄さんにこう言った。
「井川ゆいさんのビデオあるか?」
「あったらいいの紹介してくれよ」
「スレンダーな人もいいよな」
「東北生まれの美人さんな」
「女優さんのコーナーに行け」
これが兄さんの返事だった。
「それで自分で探せ」
「おいおい、つれないな」
「そこで教えてくれるのが店員さんだろ」
「それで何でなんだよ」
「何でそんなあっさり対応なんだよ」
「普通のビデオなら案内する」
アニメなり特撮なりドラマなりならというのだ。
「それならな、けれどな」
「アダルトだとか」
「しないんだな、案内」
「そうなんだな」
「十八歳未満お断りだと」
「そうだ、大体御前等な」
二人はともだ、兄さんは言う。
「十七歳だろ」
「そこ永遠の十七歳でいいだろ」
「井上喜久子さんや田村ゆかりさんみたいにな」
お二人は永遠に歳を取らない、このことを疑う者は王国には入ることが出来ない。
「俺達も実は十八歳なんだよ」
「けれど便宜上高校二年生、十七歳になってるんだよ」
「だから借りてもいいだろ」
「実は、ってことでな」
「学生証見せろ」
兄さんは二人に極めて冷静に返した。
「そんなに言うんだったらな」
「だから学生証じゃ十七歳なんだよ」
「そうなってるんだよ」
「こうなったら中の人の年齢でいいだろ」
「よし、それで決まりだぜ」
二人はアニメ化した場合を念頭に置いて言うのだった。
「俺小野大輔さんな」
「俺杉田智和さんな」
「中村悠一さんでもいいぜ」
「鈴村健一さんでもな」
「どの人も十八歳普通に越えてるだろ」
「じゃあそれでいいだろ」
強引にそうしたことを話すのだった。
「よし、じゃあビデオ貸してくれよ」
「井川ゆいさんな」
「さあ、あの人の人妻もの観るか」
「コスプレもいいな」
「全く、学校の制服着てアダルト借りに来るな」
兄さんは居直る二人に憮然として返した。
「着替えてなら体面がつくのにな」
「俺達はいつも堂々なんだよ」
「制服着ても借りるんだよ」
「じゃあいいな」
「借りるからな」
「親が泣くぞ」
また憮然として言った兄さんだった。
「堂々とアダルトビデオ借りるとかな」
「青少年の欲求不満解消だよ」
「それでいいんだよ」
「じゃあ借りてな」
「芸術鑑賞だ」
二人は兄さんに悪びれずに言ってだった、そうしてだった。
ビデオを借りて家で楽しんだのだった、ティッシュも忘れずに。
瞬は西郷と源田、ハルトマンを前にしてだ。敬礼をしてから述べた。
「わかりました、では次の種目はディオラマですね」
「そうなったでごわす」
西郷も瞬に確かな顔で応える。
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