鼠と攻略会議
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って謝罪しろ、そういうことだよな?」
「そ……そうや。
あいつらが見捨てへんかったら、こないたくさんの人が死ぬことはなかったんや。
アホテスターどもが、金やら情報やらアイテムやらを分け合うとったら今ごろもっと上の階層に行けたはずなんや!」
キバオウは未だ出てこないベータテスターに対して糾弾の声を強める。
だがエギルはその声に臆することなく続ける。
「だがなキバオウさん。情報はあったと思うぞ」
そう言ってエギルは腰のポーチから羊皮紙をとじた簡易な本を取り出す。
表紙には丸い耳に左右三本ずつのヒゲを表した《鼠のマーク》がプリントされていた。
「このガイドブック、周辺の地形に出現するモンスター、そのモンスターからドロップするアイテム、クエストの詳しい解説まで書いてある。あんたも貰っただろ。
各地の村や町の道具屋で無料で配布してたからな」
「…何?」
そのエギルの言葉に俺は反応する。
あの攻略本は一冊五百コルだったはずなのだ。
キリトも俺と同じ値段で買っており、攻略本のいくつかはアルゴから直接買っていた。
後でアルゴを問い質すとして、目の前の会話に集中する。
「貰たけど何や」
「これはオレが新しい村や町に着くと道具屋に必ず置いてあった。
だが情報が早すぎる。
こいつに載ってる情報を情報屋に提供して、ガイドブックを発行させたのは元ベータテスター以外に考えられない」
広場のプレイヤーが一斉にざわめく。
キバオウは言葉に詰まり、ディアベルは納得したようにうなずいていた。
「オレが言いたいことはそれだけだ」
そう言ってエギルは自分がもといた場所に戻っていった。
今度はディアベルが前に出た。
「キバオウさん、君の意見を全て否定はしない。
俺だって何度も死にかけた。
だからって全ての責任をベータテスター達に押し付けてはだめだ。
ボスを倒すためには、それこそベータテスター達の力が必要なんだ。
それでも元テスターと一緒に戦えないって人は抜けて構わない」
ディアベルはプレイヤー達を見渡して、最後にキバオウを見詰めた。
「ふん…ここはナイトはんに従うといたるわ」
キバオウもまた自分のいた場所に戻っていった。
ディアベルはもう一度周りを見渡して口を開いた。
「それじゃあ、会議を再開しようか。
まずはレイドを組むためにパーティーを組んでくれ!」
そう言われて周りを見てみると早速7人ずつでパーティーを組んでいるようだった。
この場にいるのは45人、6人パーティーが7つで三人余るはずだ。
余りのもう二人を探していると見覚えのある顔があったのでそちらにいく。
「おい、キリト」
「コトミネか、一週間ぶり」
「ああ。ところでお前パーティーはどうした?」
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