鼠と攻略会議
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一ヶ月で二千人が死んだ。
このデスゲームが開始されて一ヶ月。
今だに最下層である第一層すら突破できていない現状。
そんな時俺は迷宮区に一番近い町《トールバーナ》に一人でいた。
デスゲームが始まったその日にはじまりの街を出た俺とキリトは、共にクエストやレべリングを行った。
そして俺がある程度のレベルに達したときにキリトと別れ、ソロとして今まで生きてきた。
迷宮区やその周辺でレべリングをしているうちに攻略会議がトールバーナで開かれるという情報を耳にして、こうしてやってきたのだ。
「さてと、攻略会議まで少し時間があるな」
攻略会議は午後4時から、現在は午後3時、あと一時間ある。
どうやって時間を潰そうか考えていると後ろから??
「それならミネっち。面白い情報があるヨ」
と言う特徴的な声がした。
振り向くと、地味なレザーの装備に金褐色の巻き毛のかなり小柄な女性プレイヤーがいた。
顔にはメーキャップアイテムで両頬にヒゲのような三本線が描いてある。
アインクラッド初の情報屋、《鼠のアルゴ》がニヤニヤ笑いながら立っていた。
「何だアルゴ、面白い情報とは」
そう俺が訊ねると、アルゴは指を二本立てて言った。
「二百コルだゾ。ミネっち」
「ああ、二百コルだな。と言うかアルゴ、あだ名を付けるのはいいがミネっちはないんじゃないのか?」
「それ以外思いつかなかったんだヨ」
そんな会話をしながら二百コル払う。
「それで、面白い情報ってなんだ?」
「ああ、キー坊がね、女の子と一緒に迷宮区から戻ってきたんだヨ。それもかなり可愛い子とナ」
「ふーんあのコミュ障のキリトがねぇ」
「そうなんだよナ。ま、ミネっちも何か情報あったら売ってくれよナ」
アルゴはプレイヤー達に情報を売るほかに、マップデータやクエストの情報を買い取ることもある。
俺もアルゴにマップデータを提供したこともあるし、今みたいに情報を買うこともある。
攻略会議が開かれるという情報もアルゴから買ったものだ。
「それはそうとアルゴ。そろそろ《体術》の情報を売ってくれないか?」
そう言うとアルゴは顔を曇らせた。
「あー、うーん。ゴメンなミネっち。流石にこの情報は売れないヤ」
「そうか。まぁ、いいさ。売る気になったら言ってくれ」
アルゴは俺が欲しがっていた《体術》スキルの情報を持っているらしいのだが、何故か売ろうとしない。
何か理由があるのだろうと思い、気長に待つことにしている。
そうして雑談しているとちょうどいい時間になったので、アルゴと別れ会議が開かれる広場に向かう。
広場にはすでに人が集まっており、自分は端の方に座って始まるのを待つ。
広場に集まったのは自分も含めて45人
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