偽装結婚と初めての夜
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いたからな。それに彼の有名な千手柱間が作り上げた新術を結納金代わりに付けられたら、こちらとしても文句は無い」
「――ははっ。是非とも有効活用してくれ」
苦笑すると、その人はゆったりとした動きで両腕を組んだ。
「――マダラ」
「なんだ」
「済まないな、オレの問題にお前を巻き込んでしまって。正直、お前の優しさにつけ込んでしまった感が拭えない」
「……そんな気色の悪い事を言うのは貴様だけだ」
「そう言うなって。……ま、オレも出来るだけ早くお前を解放できる様に頑張るとするか」
「何を言っている? それよりいいのか? ――王手だが」
「え? あーっ!?」
自軍の、逃げ場の無い王将の姿に気付いて、がっくりと肩を落とす。
「ま、負けた……」
「ふん」
落とした肩を持ち上げると、その人は側に畳んでおいてあった羽織を広げる。
そうしてから庭に面している側の障子を大きく開いて、素足のままに地面へと降り立った。
「あー、もう。負けた方が庭で寝るなんてそんな賭けを持ち込まなきゃ良かった」
「敵陣の真ん中で寝るよりもマシだろう」
「まあ、そうだな――おやすみ」
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