閑話―各陣営―
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華琳は規律を重んじる。以前の彼女であれば軍議の場に覇気をめぐらせ。無駄な発言を許しはしなかっただろう。
それに比べ今のこの状況、彼女の覇気が緩んでいるわけではない。それどころか今も凜とした空気を張り詰めている。しかし、それは芯まで冷えるような氷ではなく、厳格な父親の近くで見守られているような温かいものだ。
過度の緊張感は個人を萎縮させ、柔軟な発想や、それに伴う発言を潰してしまう。
故に郭嘉は、主のこの変化を素直に喜んだ。
「稟、私達も連合に参加するわ! 通達と軍備を担当なさい!!」
「承知しました」
「春蘭と秋蘭は将として追従、貴方達の武名を天下に轟かせて!」
「「ハッ!!」」
「季衣と流琉は二人の補佐よ。副将として任、見事全うしてみせなさい」
「「はい!!」」
家臣一人ひとりに指示を施し、最後に残った三人を見て華琳は思案する。
連合に袁紹と自分が参加した時点で負けは無い。ならばこの戦は勝ち負けではなく、どう勝つかである。
曹操軍は袁紹軍ほど世間に認知されていない。ならば――諸侯の目の前で刻み付ける!
「もちろん凪、真桜、沙和の三人にも働いてもらうわ。特に真桜、貴方は『アレ』の準備を」
「おおッ!? こないな大舞台でお披露目出来るんやろか!」
「順当に行けば……ね。泥水関と虎牢関の突破に役立つはずよ」
「よっしゃあ! 任しといて下さい!!」
「真桜、珍しくやる気だな」
「殆どの時間を『アレ』に使っているし、仕方ないの」
泥水関、そして虎牢関突破の鍵になるであろう真桜の奮起。それを確認した華琳は、再び皆の顔を視界に収め宣言した。
「行くわよ皆! これが我が覇道の第一歩よ!!」
「袁紹軍に続き曹操軍も参加を表明……か」
「袁紹様が連合に否定的だった時は肝が冷えましたね〜」
「ああ、だが亞莎あーしぇのおかげでその不安も無くなった」
「そそそそんな!? 勿体無いお言葉ですぅ!!」
孫呉の屋敷、連合に参加する軍の目録に目を通していた周瑜と陸遜は。先の一件で袁紹を連合に参加させる策を考え付いた呂蒙――亞莎を褒めた。
「謙遜しなくても良いですよ〜、この結果は十分誇れます」
「穏の言うとうりだ。私達には思いつかなかった策、見事だぞ亞莎」
「あ、ありがとうございます!!」
独立のため、さらなる名誉を得るために、孫呉はこの連合で勝利を収める必要があった。
そこに袁紹が連合に対して消極的な姿勢を見せ、彼女達は慌てた。諸侯が集まった連合は強大だろう。しかし、袁紹軍が敵に回っては苦しい戦いになる。
何とか袁紹を連合に参加させようと周瑜と陸遜の両名
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