閑話―各陣営―
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い人物であることは知っている。反袁紹派の者達に適度に暴れてもらいそれを張勲が鎮圧、「仕事してますよー」と素知らぬ顔をし、最愛の主と悠々自適な楽しい生活を――送るはずだった。
反袁紹派の厄介さは張勲の想像を遥かに越え、元当主である袁逢に同情を覚えるほどだ。
各々が名家出身なだけに権力があり、堪え性の無い者達の集まりである。
彼等は袁紹が活躍すればするほど不満を覚え、袁紹が情報をわざと流布させていたこともそれに拍車を掛けていた。
とはいえ、不満があると言っても何が出来るわけでもない。
諸侯から見れば袁術も強大な勢力だが、それも袁紹ありきの話し。自分達よりも強大な勢力に刃向かう度胸があるわけも無く、せいぜい裏で悪口を叩く程度だ。
しかしそれだけでは気は晴れない。そんな彼らが何で鬱憤を晴らそうとするだろうか――……
考えるまでも無かった。
ある者は酒に、ある者は美食や散財、そしてある者は――民に手を出し始めた。
これには流石の張勲も焦り、様々な方法で事態を収束させていた。
もしもこれが袁紹の耳に入ったら――彼は関わってくるだろう。普段から民草の為にと動いている彼の事だ、反袁紹派の暴虐を見逃すわけが無い。
故に、張勲はあの手この手でそれを有耶無耶にした。荒っぽい事はせず、迷惑料を支払うことで解決させていたのだ。
彼女を知るものなら『らしくない』と思うかもしれない。
張勲の非情は天然ものである。普段の彼女であれば迷わず効率的な『口封じ』をしていただろう。
しかし出来ない、袁紹と敵対する気は無いのだから――……
以前、袁紹の軍師である荀ケの間者を捕らえた事がある。
袁紹に近況報告を兼ねた顔見せをした後の事だ。張勲としては巧く本性を隠せた心算だったが、荀ケが思いのほか有能なのか間者を送り込まれてしまった。
そして運良く――否、運悪く捕らえてしまった。
張勲は袁紹達と敵対する気は無い。そのために善政をしいて外面を繕ったのだから、むしろそれを袁紹達に報告して貰う事で疑惑を取り除いておきたかったが――時既に遅し。間者から荀ケの手の者と口を割らせてしまった。
「張勲様、始末終えました」
「そうですか、ご苦労様です」
『始末』を命じた手の者の報告を作業的に流す。――隠語だ。
張勲、もとい彼女の部下は間者の口封じなどしていない。
確かに口を封じれば余計な情報の漏洩、反袁紹派の癇癪が袁紹等の耳に入ることを防げたかもしれない。しかし証拠は無くとも間者が行方不明になったとあっては、荀ケが黙っていないだろう。
此方への監視が厳しくなり、反袁紹派の行き過ぎた『癇癪』が漏洩、袁紹がそれの解決に動き出す可能性もあった。
故に、安易に間者を始末する
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ