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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第十六話:スーパーマーケットの中で
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 ……“此方に” 負担が掛からないのならば、どうぞ身の安全を捨てちゃってくださいと、シカトを決め込むつもりなのだが。


「……あ゛?」


 当然というべきか、コータは俺の行動が気に食わなかったようで、顔を歪めて威嚇してくる。


「ナニお前? カノジョの前で格好付けたい系ー? オレ、空手黒帯だけどー?」


 言いながらシャドーを始めた。
 その構えは……素人目でも、空手では無くボクシングにしか見えない。

 専門とする人間には勿論劣るものの、格闘技もそれなりに見てきて実践してきているので……正直ボクシングとしてもなっちゃいない、としか言えないが。


「やっちゃえよコータ! クレ大空手部主将の力見せちゃいなって!」


 そしてこの流れで、何故だか戦いを強行する斉藤…………いや、まて。
 今クレ大っていったか? つまりこのコータっていう男、俺より歳が上か。

 空手部という事が、主将という部分が嘘だろうと本当だろうと、人前で力を見せびらかす―――どころ歳下に振るうか奴が、まさか大学生とはな……。
 いや、向こうから見れば同い年ぐらいに見えているのか?
 自分より背の高い奴を年下に見るのは余りいないしな……。


「ハハハハ! 覚悟しやがれ!!」
「……」


 総合して三十年程生きてきた俺ではあるが……キレやすいとかそう言った性格上の問題は親の庇護下に()る毎日の中で以前より寧ろ前に出ていると、子供っぽい部分が出ていると最近感じている。
 故に、今かなり苛立っている。

 精神年齢で上だと言える部分も、精々奴よりは“余裕がある”という部分だけだ。
 勿論、親父の前なら面倒くさい事を回避する為に表情筋を抑えるが……今こう言った場でそんな事を考えるのは野暮という物だろう。

 
「死ねッ!」


 呑気に考えていたからか防御も出来ず、コータの拳が俺の腹に命中した。
 斉藤は嬉しそうに声を上げ、コータはニヤリと嗤う―――


「か、かってぇぇ……!?」


 ―――事は無く、引きつった笑い顔で拳を震わせていた。
 どうも俺の腹筋より、コータの拳の方が軟だったらしい。
 極端な事で例えるなら、今の状況は人間がトラックに殴りかかった様な物……つまり、ダメージを負うのは殴りかかった方。

 まあ俺自身、そこまで硬いとは思っていないが、今この場に限ってはその例えも、案外間違いにはならなそうだ。
 ……だが、(親父の事もあり)鍛え上げていないとは言わないが、かといって本職よりはやはり劣る筈の俺の筋肉が、ソコまで硬い物なのだろうか……?


「行け行けコータ! もっとヤッちゃえよそんなキモオタ!」
「お、おう! やってやるよぉ!」


 彼
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