Fate/stay night
1117話
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ころにこんな状態の綾子を連れて行ったりしたら、色んな意味で不味いわ。今は私の家に連れて行くわよ」
「……けど、どうやってだ?」
騒いでいる状態では、連れて行くにしても目立つ。
で、あれば……
「しょうがないわね。アークエネミー、悪いけど綾子の意識を」
「分かった」
凛の言葉に頷き、そっと美綴の首筋を握る。
手刀でも良かったけど、体勢的に無理だったからな。
軽く力を入れて首筋を刺激し、意識を失わせる。
「取りあえずこれでいいわ。後は、なるべく早く私の家に連れて行きましょ。アークエネミー、お願い」
凛の言葉に従い、美綴を背負う。
そのまま凛と共に新都の街並みを移動していく。
正直、俺が1人で美綴を背負っていれば、色々と怪しむような目を向けてくる相手もいただろうけど、凛が一緒にいるおかげで、友人を送っていくという風に見られている……と、思う。
『アークエネミー、綾子はライダーに襲われていたのね? それは、ライダーだけ? それとも……』
『あのワカメもしっかりその場にいたよ。それどころか、美綴に対して悪意全開といった表情で笑っていた』
万が一にでも、他の人に聞かせる訳にはいかなかったからだろう。念話で話し掛けてきた凛に、そう言葉を返す。
『……そう』
戻ってきた言葉はそれだけ。
ただし、そこにあるのは間違いなく殺意すら籠もっている一言だった。
『正直、柳洞寺の方と新都のどっちに行こうか迷ってたんだけど……新都の方に来て正解だったわね』
『柳洞寺? そう言えば家を出る時にもそんな事を言ってたな。そこに何があるんだ?』
『うん? 言ってなかったかしら。あそこは冬木でも最大の霊地でもあるの。そうである以上、どこかのサーヴァントがちょっかいを出していてもおかしくないんだけど』
『それなら、優先して調べるべきだとは思うけどな。……まぁ、凛の判断のおかげで美綴を助け出す事が出来たんだが。もし凛が新都を選択していなければ、あのワカメは美綴にどんな手を出してたのか、分かったもんじゃないし』
そんな風に言いながら、美綴の肉体の重みを感じつつ道を歩き続ける。
『それで、結局なんだって美綴はあんな風になったんだ?』
『それは……悪いけど、今この場では言えないわ。もう少しきちんと調べてみる必要があるの。ただ……もしかしたら、綾子をこっちの世界に巻き込んでしまったかもしれない』
苦々しげに呟く凛の念話に首を傾げつつ……俺達は家へと到着するのだった。
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