Fate/stay night
1117話
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であれば、全く関係のない一般人を巻き込むという事は絶対にしなかっただろう。
だが、このワカメは話が別だ。
現に今日の放課後には学校で女子生徒を1人ライダーに襲わせているのだから。
つまり、こいつは魔術の秘匿とかそういうのに全く意識を向けていない。
あるいは、魔術とかを見せたとしても殺してしまえばいいと思っているのか。
ともあれ、このワカメに好きなように行動させれば絶対に面倒な出来事にしかならない。
それを防ぐ為に、俺だけに意識を向けるようにして近づく。
だが、この時の俺はさっきの美綴の反応を忘れていた。……いや、正確には深く考えていなかったというのが正しいだろう。
美綴にしてみれば、俺はサーヴァントとかそういう存在ではなく、1人のクラスメイトでしかないのだと。
「駄目だ、来るなって言ってるだろアーク! 逃げて誰かを呼んできてくれ!」
必死に叫んでくる美綴に、安心させるように口を開く。
「安心しろ、美綴。お前は俺が助けるから、そこで大人しく俺の活躍を見ててくれ。それこそ、ヒロインのようにな」
「ク、アーク!?」
「はっ、はははは! 何だよ、正義の味方気取りか!? い、いいか。そこから動くな。動いたら美綴を殺すぞ! ライダー、そいつが少しでも動いたら、美綴を殺せ!」
勝機を見つけたとばかりに叫ぶワカメ。
ちっ、美綴の声でやっぱり人質の可能性に気が付いたか。
さて、どうするか。ワカメはとにかく、ライダーの方はサーヴァントだけあって厄介だ。
出来れば何かで意識を……
そう判断した、その時。
「くそっ、おい、慎二! 馬鹿な真似は止めろ!」
ライダーに捕まっている美綴がそう叫び、手に持っていたバッグをワカメへと投げつける。
俺の方に意識を集中していたワカメにそれが回避出来る筈がなく、美綴の手から離れたバッグは思い切りワカメの後頭部へと命中する。
「げぽっ!」
おかしな悲鳴が上がったワカメ。
いや、それ自体は別にいい。
重要なのは、そのおかしな悲鳴に一瞬……ほんの一瞬だが、ライダーの意識がワカメに向けられた事だ。
その瞬間、殆ど反射的に俺は地を蹴っており、真っ直ぐにライダーへと向かう。
ライダーよりも上の敏捷A++という能力値を最大限に生かして接近すると、そのまま強引に美綴を奪い取る。
そのまま袋小路の最奥へと移動して、美綴を後ろへと庇う。
同時に背後から聞こえてきた飛翔音と、ジャラララという鎖の音。
そのまま回避しようとして振り向き……こちらに向かって飛んできている巨大釘は、このまま俺が回避すれば後ろにいる美綴に当たる軌道である事を理解する。
幾ら何でも俺が傷を付けてまで美綴を庇う必要はないと判断しつつも、殆ど反射的な行動で手を
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