抜錨及び初陣編〜選抜1
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ございます。小笠原艦長。」席から立ち、敬礼しつつ日下部は付けくわえて葵に「お飲み物は紅茶でよろしいですか?」と言った。葵は紅茶党だった。どうもコーヒー…特に軍隊のコーヒーはあまり美味いとは思っていなかった。
「ああ、そうだな。すまない。」
葵はいま29歳で三佐。対して霜田は34歳で一尉ある。階級社会の軍隊では年齢と階級の逆転は珍しくはないが、葵は年上から敬語を使われるのに少し戸惑いはあった。
日下部が紅茶と自身のコーヒーを運んできて紅茶を葵の前に置いた。
日下部が「ストレートでよろしかったですよね?」
「あっ。うん。ありがとう」少し戸惑いが表に出つつ葵は答えた。
互いに最初の一杯を飲んだ後に、日下部が切り出した。
「選抜人員について、各セクションの責任者に関してめぼしい候補を私なりに目処をつけてみました。」
葵は自身も持っている人員ファイルを渡され、ぱらぱらと目を通してみた。
「ほとんど私の考えと一緒だな。まぁ、人員不足ではあるしな。」
少し皮肉っぽい笑みを浮かべて葵はこの副長となる男の考えの一致を喜ばしく感じた。
「そうですよね。三佐も同じような感じでしょうか?」
「あぁ、似たようなものだ。私の考えを北澤一佐には伝えよう。恐らくここのあたりが落としどころだ。」
「そうですね。では、北澤一佐のところへ出頭しましょう。」日下部が相槌をうち、腕時計を見て席を立った。既に午前十時四十分だった。
葵も席を立ち、日下部とともにカフェテリアを後にした。
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