第四幕その十
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「雲で出来ているの」
「それでなんですね」
「こうした造りなの」
「ポリクロームさんのお部屋もですか」
「そう、こうした感じなの」
「そうなんですね」
ジョージはポリクロームのお話を聞いてこうも言いました。
「不思議ですね」
「不思議かしら」
「はい、オズの国の中でも」
特にというのです。
「そんな感じがします」
「そこまで不思議かしら」
「お家の中もふわふわとしていて」
歩いているその感触がです。
「地上と本当に違いますね」
「それが不思議なのね」
「それに中も」
そのお家の中もというのです、左手には中庭がありますが雲のその中に草花があって青いお水をたたえたお池もあります。
「神殿みたいで」
「お家よ」
「そうですよね、けれど」
「神殿みたいっていうのね」
「そんな感じがします」
「そうなのね」
「そういえばポリクロームさんは」
ジョージはあることに気付きました、その気付いたことはといいますと。
「朝露だけを召し上がられるんですよね」
「そうよ」
「じゃあ食べるものは」
「ないわよ」
これがポリクロームの返事でした。
「朝露は自然に出て来るわね」
「はい、草花について」
「それを少し飲むだけでいいから」
「だからですね」
「このお家には食べるものはないわ」
食べる必要がないからです。
「全くね」
「そうですよね、朝露を舐めるだけで」
「寝ることはしていても」
それでもというのです。
「食べることはしないわ」
「そうですよね、だからですか」
「生活感がない?」
恵理香は首を傾げさせてこう言いました。
「ここは」
「うん、何か不思議だなって思ってたら」
ジョージは恵理香のその言葉に応えました。
「それがないんだ」
「そうよね」
「かかしさんや木樵さんのお家みたいに」
「食べる場所とかがないから」
「それでなんだね」
「そうよね」
「飲むことはしてるわよ」
これがポリクロームの言葉です。
「朝露をね」
「けれど舐めるだけですよね」
「量は多くないわ」
「ですから、あまり」
「生活感がないっていうのね」
「そうだと思います」
「神聖な感じが強くて」
神宝が言うにはです。
「お家じゃなくて本当に神殿みたいです」
「神殿ね」
「それにポリクロームさんも」
この人自身もとです、ポリクロームがお話することはといいますと。
「天女様みたいで」
「あっ、確かに」
ジョージは神宝の言葉にも頷きました。
「ポリクロームさんは雲のお家に住んでいて」
「虹の人だからね」
「うん、着ている服も虹だしね」
「それにとても奇麗だから」
「天女みたいだね」
「精霊でね」
「確かにね」
ジョージも頷くので
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