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オズのポリクローム
第四幕その八

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 皆はまずはお風呂を楽しんでなのでした、それからです。 
 着替えて歯も磨いてです、操縦席のところに行くとです。目の前に雲の上にあるギリシアの神殿を思わせる白い宮殿がありました。
 その宮殿を見てです、ジョージは目を輝かせて言いました。
「あの宮殿がですね」
「そうよ、あの宮殿がね」
 まさにとです、ドロシーがジョージに答えます。
「ポリクロームのお家よ」
「そうですよね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「これからね」
「はい、これからですね」
「お家に入るわよ」
「わかりました、それじゃあ」
 ジョージは確かな顔で頷いてでした、遂にです。
 飛行船は雲の傍に来てでした、そうして。
 雲の上に足を踏み入れるとでした。
「あっ、ちゃんとね」
「歩けるわね」
 恵理香とナターシャはお顔を見合わせて笑顔でお話しました。
「雲の上でもね」
「しっかりとね」
「歩けるわ」
「そうね」
「ええ、この雲の上はね」
 ドロシーもその雲の上に立って歩きつつ二人に応えます。
「歩けるわ」
「何か嘘みたいですね」
「雲の上を歩けるなんて」
「オズの国でも」
「こんなことがあるんですね」
「そうだね、確かにね」
「このことは凄いことだよ」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーも雲の上に来ています。
「雲の上を歩けるって」
「嘘みたいなことだよ」
「いや、本当にね」
「僕達も驚いてるよ」
「ふわふわしててね」
 トトも雲の上を歩きつつ言います。
「何かあれだね」
「ええ、この感触はね」
「柔らかいベッドの上にいるみたいだよ」
 こう魔法使いにも言うのでした。
「この感触ってね、だからね」
「だから?」
「こんなことをしたくなったよ」
 トトはここで雲の上を跳ねたり転がったりしはじめました、ですが。
 ドロシーはそのトトにです、むっとしたお顔で注意しました。
「駄目よ、トト」
「はしゃいだらだね」
「雲から落ちるわよ」
 だからというのです。
「落ち着いてね」
「そうだね、それじゃあね」
「何か僕もね」
 カルロスもこう言うのでした。
「何かね」
「飛び跳ねたい?」
「そうなんだ」
 ジョージに雲の上を歩きつつ答えるのでした。
「ふわふわふかふかしてて」
「最高のベッドの上にいるみたいだから」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「ついついね」
「飛び跳ねたくなるんだね」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「ついついね、けれどね」
「危ないよ」
 神宝も真剣にです、カルロスに注意します。
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