Fate/stay night
1116話
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いる割りには、何故か極端に人死にを嫌がるという衛宮の性格を考えれば、自分の友人を助ける為に令呪を1つ使うのを躊躇うとは思えないのも事実なのだから。
お人好しと言えばそれまでだが……
未だに言い争いをしているセイバーと衛宮を見ながら、そう考える。
尚、当然の事ながらライダーとワカメの方もこの機会を逃すのは惜しいと、隙を見ては逃げ出そうとしているのだが、その度に俺が視線を向けているので動けていない。
セイバーの方も、聖杯戦争には積極的なのでライダーをここで逃すという考えはないようだし。
『なら、この場をどうやって収拾する? いつまでもこの茶番を見ているというのは面白くないし、何より折角ライダーのマスターをこうして倒せる場所に引きずり出したんだ。このままはいさよなら、っていくのは惜しすぎるぞ?』
『確かに惜しいけど、セイバーとライダーの2人を相手にして勝てる?』
再度同じ事を聞かれるが、それに答える事は出来ない。
1対1であれば、互角にやり合えるだけの実力はあると思っている。
1対2でも、ステータスという意味では対英雄の効果もあって俺の方が圧倒しているだろう。
だが……記憶喪失の影響でスキルが2つと、何より宝具が1つも使えない状態になっている以上、サーヴァント2人を相手にどうにか出来るかと言われれば……
『難しい、としか言えないな』
そう答えるしかない。
宝具によっては、ステータスの差は大して意味がなくなるという話を聞いている以上、やはり俺が宝具を使えないというのは決定的なまでに痛い。
『なら、ここで強攻策を採る事が出来ないのは理解出来るでしょ』
凛の言葉に、仕方がないと溜息を吐く。
実際、このままの状態で俺達が戦い合った場合、最も利益を得るのはここにいないだろうサーヴァントとそのマスターなのは間違いがないのだから。
俺とワカメの前に立ち塞がっている衛宮に向け、改めて口を開く。
「ここでそのワカメを見逃して、その上でそいつが何か騒動を起こしたら、その責任はお前が取ると考えていいんだな?」
「ああ」
「シロウ!?」
衛宮の言葉に、セイバーが冗談ではないと叫ぶ。
正直、その気持ちは分かる。分かり過ぎるくらいに分かる。
聖杯戦争というのは、サーヴァントが最後の1人になるまで勝ち抜いた者が聖杯を手にする事が出来るという代物だ。
つまり、サーヴァントが2人いる時点で聖杯戦争の決着がつかなくなる。
それでなくても、あのワカメだ。どんな騒動を巻き起こすのかは、考えるまでもない。
「そのワカメを守るだけなら、サーヴァントとの契約を破棄させるという手段もあるが、それも選ばないと?」
「……その辺に関しては、後で慎二と話し合ってから決める」
チラリ、と
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