暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第30話「復讐」
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支え、左目を閉じている。さらに、遠目で見ても分かるほど呼吸が落ち着いている。



「………ごめんね」


小さな謝罪と同時に、アイリスが引き金を引く。



銃口から弾丸が放たれ、今度は大鷲の右下の眼を貫いた。



「グゲエエェェエェアアァアアァアアアアアァアァアアァア!!!」






脳の奥まで響くような耳障りな大鷲の絶叫。
想像を絶する痛みに耐えかねて絶叫したのか。あるいは人間に2つの眼を潰されたことへの怒りの叫びなのか。

少なくとも、最初のアイリスの一撃では、前者の方が大きかったはずだ。
だが、二度も同じ人間に、同じように眼を潰されたとあっては、後者が勝る。


「ガガアアァアアァアァァアアァァアアァァァ!!!!!」


怒り狂い、シャルルへの追撃をやめ、その長い尾を激しく振り乱す。
鉤爪があちこちにぶつかり、展望台の床や壁を大きく削り取る。

長い尾を振り回し、羽根を逆立て、怒りに身を任せアイリス目掛けて猛スピードで駆け出した。

「(追撃から逃れることはできたが……このままでは…!)」

アイリスのおかげで鉤爪から逃れることが出来たシャルルは、急いで態勢を立て直し、アイリスの援護に向かおうとするが……


バゴンッ!!!



「ぐっ…!」


シャルルの目の前の地面がごっそり削られた。
大鷲が残った眼で、一瞬シャルルを睨みつける。まるで「邪魔するな」と言っているようだった。



「(これ以上黙って見ていられない! アイさん…!)」

アイリスから渡されたコートを置き、アイリスのもとへ駆け出す。



遅かった。




大鷲の長い尾の鉤爪が、アイリスが回避しようとする前に、彼女の身体を捉えた。



ズブッ



鉤爪の先端が、アイリスの細い身体に深く突き刺さる。

しかし、それも一瞬だった。



大鷲は、アイリスを突き刺した勢いを殺さず、凄まじい勢いで尾を振り払う。


「きゃあぁ!!」


振り払われた勢いで鉤爪は無理矢理身体から引き抜かれ、アイリスは血を撒き散らして宙を舞った。


ドガンッ!!!



「あぐ………ッ!!」


アイリスは展望台の壁に思い切り身体を叩き付けられた。展望台の壁が大きくひび割れ、陥没する。
メキメキ、ミシミシ、と、骨が複雑にへし折れる不快な音が、一秒もしない間に数回聞こえた。
骨が折れる音と同時に、アイリスは空に向かって大量の血反吐を吐いた。
そして、彼女の身体は壁に背を付けたまま、ズルズルとゆっくり地面に倒れこむ。


「あ………あ……」

「アイリス!!!」

クリスは目を見開き、言葉を
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