94章 信也たち、<ゲスの極み乙女。>で盛り上がる
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
94章 信也たち、<ゲスの極み乙女。>で盛り上がる
10月11日、日曜日。曇り空の、午後の5時を過ぎたころ。
川口信也と新井竜太郎と水谷友巳と、付き合っている彼女たち、
大沢詩織と野中奈緒美と木村結愛の6人は、『佐五右衛門』に入った。
道玄坂センタービルの4階にある『佐五右衛門』は、串焼専門店で、
渋谷駅から歩いておよそ3分だった。
6人は、扉のついた個室のテーブル席の、ふかふかなソファーに落ち着いた。
「最近は、<ゲスの極み乙女。>が、いいなぁって、思っているんですよ」
水谷友巳が、ぽつりと、そう言って、レッド・アイの細長いグラスに口をつける。
レッド・アイは、ビールに、トマト・ジュースを加えた、赤色のカクテル。
水谷友巳は、あの尾崎豊がしていたような、リーゼントはやめて、
いまは、無造作なショットカットの刈り上げのヘアスタイルだった。
「あっ、昨夜のNHKのSONGS、見たわ!<ゲスの極み乙女。>
『ロマンスがありあまる』とか、『キラーボール』とか、『私以外私じゃないの』とか、
この10月に発表されたばかりの『オトナチック』も演奏してくれてわよね!
どの歌も、自然と口ずさみたくなるような、キャッチーなサビのメロディーなのよね!
わたし、感動しながら見ちゃった!ぅっふふ」
竜太郎の隣の、野中奈緒美は、そういって、微笑んだ。
野中奈緒美は、1993年3月3日生まれの22歳、身長は165センチ、
可憐な美少女で、人気のある、モデル、タレント、女優である。
竜太郎と交際中で、竜太郎が副社長のエタナール傘下の、
芸能プロダクションのクリエーションに所属している。
「そうなんですよ。ゲス極の川谷絵音さんの作る楽曲は、
小学生の子どもたちからも支持されてるんですから、おれ、尊敬しちゃいますよ」
水谷友巳は、みんなを見て、そう言って微笑んだ。
「川谷絵音さんて、確かに、いい歌を作るよね。
『私以外私じゃないの』なんていうフレーズは、ほんと(本当)、キャッチーだし、
あのフレーズは、おれも思いつかなかったですよ。あっはは」
信也は、テーブルの向かいの、水谷友巳やみんなを見ながら、そう言った。
「子どもたちの心に響く歌を作れることって、すごいし、すばらしいと思うわ!
『オトナチック』では、大人になりきれない葛藤を越えて、
前に進んで行こうというメッセージが込められているんですって」
信也のテーブルの向かいにいる、信也の彼女の大沢詩織はそう言って、
明るく微笑んだ。
「音楽とかをやる、その目的って、いつまでも子どものよ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ