暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Story9:決意を新たに vsグラウモン
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、顎を突き上げられたことで口を閉じてしまう。
吐き出しかけていた炎が口の中に納まる訳がなく、グラウモンの口内で暴発。グラウモンの顔が隠れる程の炎と煙が、グラウモンの顔周辺で起こった。
理科の架空実験の如く、顔を煤(すす)だらけにして真っ黒となったグラウモン。暴発の勢いによって脳が揺らされ、立っている事もままならずそのまま倒れてしまった。
倒れた彼を見ると、どうやら気を失っているようだ。
「ぐへらっ…」
それと同時に、精神を乗っ取られていたサラリーマン風の男も、意識を失って倒れた。
「あぁッ、『メフィストさん』さん…? 『メフィストさん』さん…『メフィストさん』さーーーん!?」
そこへ小柄な青年が、倒れた彼の下へ駆け寄った。彼らにとって“「メフィスト」”さんは商売相手であったからか、はたまた人間としての心の表れなのか。どちらにせよ彼の容体が心配だったらしい。
(―――というか、“『メフィストさん』さん”って…)
そのことにようやく気がついたタクミは心の中でツッコミを入れながら、デジヴァイスの通信で杏子に伝えた。
『…なるほど、無事で何よりだよ。しかし、中々面白い顛末(てんまつ)だったようだな』
「えぇ…デジモンが人間を乗っ取るなんて……」
『そのデジモンが集めていたアカウントは、撃破によって解放された。山科誠のアカウントも、ね。ご苦労だった、事務所に戻ってきたまえ』
「了解です」
素直に返すタクミだったが、杏子は何を思ってか急に笑みを浮かべた。
『主従の関係は、いつでも逆転の波乱含み、か。ふふ、私も肝に銘じておくべきだろうな。そう思わないか、ワトソンくん?』
「はい? いやだから、ワトソンくんって―――ってもう切れてるし……」
なんだかよく分からなかったが、タクミは取りあえずその場を後にすることに。
「お、おい…なんでコイツを消去(デリート)しないんだ!?」
そこへ叫んできたのは、先程タクミにボコボコにされた上背の男。
コイツとは、男が指差しているグラウモンのことだろう。タクミはそれを確認しつつ、男へ視線を向けた。
「コイツはこんなことをしでかしたんだ、なんで最後まで―――」
「命を尊ぶのに、理由がいるか?」
「……はぁ!?」
男の言葉を遮って、タクミは逆に質問を返した。しかし男はさも当たり前のような顔をして、口を開いた。
「それは命がある生き物ならそうだろうが、コイツはデジモンだろ? “ただのデータ”だろ!? なんでそこまで……ッ」
そこまで言って、男は言葉を詰まらせた。タクミが間近まで迫ってきたからだ。
「……てめぇの
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