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竜のもうひとつの瞳
第二十四話
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じゃ、こういうのはどうでしょう」

 明智の口から放たれた提案に、私達は揃って顔を引き攣らせていた。




 牢内に鞭を打つ音が響く。そして男の歓喜の声もこだまする。

 「もう……勘弁して……」

 思わず懇願するようにそう呟けば、明智はまだ足りないと歪に笑っている。
小十郎はと言えばこの光景を見て普通に怯えているし、もう本当嫌になってくる。

 「ああっ……痛い、痛い! もっと……もっと痛みを……!」

 ……明智の奴を縛り上げて鞭でひたすら打ってるんだけど、かれこれ一時間以上は打ちっぱなしでいい加減私も疲れてきた。
いや、体感はそれくらいだけど実際はもっと経ってるかもしれない。
こんな変態プレイに小十郎を巻き込むわけにはいかないから、文字通りの汚れ役を引き受けている。

 いやね、私も小十郎も大抵汚れ役はやってきましたよ。
時には伊達に忍び込んできた阿呆に拷問かけたりとかそりゃ人様には到底言えないこともやってきましたよ。
でもこういうプレイは……流石にちょっとねぇ……。
女王様気質でもないし、生まれ変わる前も経験したことが無かったんだけどなぁ……いやでも、まだ服着てくれてるだけ良いとしよう。
これで素っ裸だったら精神的なダメージがより大きかったかもしれないし。

 「やはり貴女は最高です……! ああっ、私の可愛い側室……!」

 「いやっ、マジでキモイから黙れ!」

 「ああ、それいいですね……もっと、もっと罵って下さい!」

 駄目だ、コイツ早く何とかしないと……いや、駄目だ。ここまで来ると、もう病院が逃げるレベルだ。

 「……つか、殴られたり罵られたりするのが好きなわけ?」

 打ちっぱなしも疲れるからさりげなくそんな質問をして小休止を入れようとすると、
明智がまた薄気味悪い笑みを浮かべて私の問いかけに答えてくれる。

 「切り刻むのも大好きです。拷問に掛けるのもゾクゾクしますね……そうだ、もう一人の側室を拷問に」

 「かけたら(はらわた)生きたまま引きずり出すぞ!!」

 私の可愛い小十郎に何しようとしてんじゃ、ゴルァ!!

 先程の比ではないほど激しく鞭でバシバシ打ち付けてやって、幸せな表情のまま意識を失うまで殴り罵り倒してやった。
そんなどうしようもない主を無表情に牢番達が運んでいったところで、私は鞭を投げ捨ててその場に座り込んだ。
きっと彼らも思うところはあるんだろうけど、それを気にしてやれる余裕は今の私には無い。

 「……うう……こういう汚れ役は嫌。私、ドSじゃないし。女王様でもないし」

 ドMでもないけど、どっちかっていうとS寄りくらいで、人を殴って性的に興奮する特殊な趣味は持ち合わせてない。
ちなみに殴られて興奮する趣
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