アリアの願い
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たがってたとは思えんが。
『創造神』を『世界を救う者』だと信じてたんなら、解らんでもない。
どこにでも現れて派手に暴れてた理由とも繋がる。
もしも本当に、そんな契約を通して顕れたとするなら。
この世界に居るレゾネクトは、アリア信仰を広めた最初の神父ってか?
魔王が女神の神父って。
冗談キツいぞ。おい。
あ、でもアイツ。
クロスツェルの教会でも二度目に顔を合わせた時でも、当たり前のように『月桂樹の葉っぱをくわえた水鳥』のペンダントをぶら下げてたな。
悪魔のクセに、アリア信仰のシンボルを堂々と身に付けてるくらいだ。
ありえん話でもないのか。
「つーコトは、だ。アリアが創造神としてこの世界を掌握する前か、魔王が異空間を出る為に必要な力を得るまでに、アリアを確保しておきたい。が、異教団体は世界中に点在してて、それらのドコに、いつ、アリアが現れるか分からない。一ヶ所を張り続けて最後に来られても困る、か」
フィレスと子供マリアが同時に頷いて、どうしたものかと眉を寄せる。
「場当たり的な動きでは追いつけない。すぐにでも、打開策を考えなきゃ。あれが役に立てば良いのだけど」
「見つかったんですか? あれ」
「? あれ?」
なんだ?
「ええ。やっぱり、あの辺りにありました。ただ、昔に比べると生息範囲が狭く、群生もしていないようなので、効力は落ちているかも知れません」
「レゾネクトが私達に気付いてる様子はなかったですし、多分大丈夫かと」
「だと良いのですが」
「何の話をしとんだ、お前ら」
探し物とか、気付いてなかったとか。
そういや、さっきからいちいち言動がおかしいな、コイツら。
「私達がレゾネクトから隠れて行動する為に使えそうな物を探してたのよ。貴方にも渡しておいたほうが良いのかしら? 一応、悪魔だし」
「ナメとんのか、てめぇ」
子供マリアといい、クロスツェルといい。
コイツら、俺をなんだと思ってんだ?
ぶっ飛ばすぞ、いい加減。
「侮るって意味じゃないわ。むしろ、逆。とりあえず目的地に跳ばすから、説明はそっちで。リースリンデは花園に居てね。フィレス様の結界内なら、きっと安全だから」
「あ、はい! お気を付けて!」
子供マリアから翔び上がって離れたリースリンデが手を振る。
次の瞬間、何の前触れもなく景色が一変した。
「! 空間移動!?」
色鮮やかな花は、深緑色の苔に。
楕円形の空は、繁る木の葉で細切れにされて。
泉は、タパタパと音を立てて流れ落ちる小さな滝に変わった。
滝壺と呼んで良いのか迷うほど
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