襲う悪夢
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ん。
「おじいちゃんがね…私が小さかった頃いつも言ってたことがあるんだ」
「じいちゃんが?」
「キーパーはね…足腰だって。”ヘソと尻に力を入れて踏ん張れば、捕れない球はない”って」
「ほ…本当!?そっか!ヘソと尻に力を入れて踏ん張れば…ようし!頑張るぞ!!」
(お父さん…初めてお父さんのこと、守に話せたわ…)
今まで心の奥に固く封印してきた父親こと、円堂大介のことを、とうとう円堂に話すようになった円堂のお母さんだった。
───────────
ガラガラガラガラ
「いらっしゃ…ん!?お前は…影山!!」
「ほう、随分な態度じゃないか。この店は客を選ぶのか?」
「…」
「ではラーメンでも作ってもらおうか」
その日の夜遅く、雷雷軒に思いもしない来客が入ってきた。それはなんと影山…一体何の目的で…。
「ふん…!」
「そうツンケンするな…お互い同じイナズマイレブンの仲間だったじゃないか?」
「…!」
馴れ馴れしい影山の態度に、かつてない怒りの表情を見せる響木監督。
何しろ目の前にいるのは、自分やイナズマイレブンの仲間達を破滅させ、雷藤や円堂達を鉄骨で殺そうとまでした男なのだ。
「同じフィールドに立っていたというのに、今ではずいぶん違うな?お前はラーメン屋の店主、私はフットボールフロンティアを制しサッカー界の頂に立つ」
「頂点に立つかどうかは分からんだろう」
「分かるさ、試合をする前からな。私は勝利を掴みお前はまた負け犬になる。地べたを這いつくばり、運命を呪うことしか出来ない負け犬にな」
そこで響木監督が持ってきたラーメンには目もくれず、ただただ嫌みを続ける。
「食わないのか」
「フン。食いたくないな、負け犬が作ったラーメンなど…、ひとつ教えてやろう、お前は人を信じすぎる。それが弱点だ」
「それは俺の長所でな。お前は選手を信じることが出来ない、だから汚い手を使ってしか勝つことが出来ないんだ」
「心外だな、いつ私が汚い手を使ったと言うのだ?証拠があるなら見せてもらおうか」
「証拠はそこにある。全てはお前の胸の内にな」
自分の悪行を認めようとしない影山に、監督は自分の胸に聞いてみろとおたまをグイッと突きつけた。
さすがの影山も息が詰まったように口ごもる。
「………ふ………ふふふふ…ふふふふふはは、ふはははははははは!!少しは変わったようだったから利口になったのかと思えば…!お前はお前だな…!決勝戦の日、己の愚かさを呪うことになるぞ。目の前で大切な円堂達が倒されて行くのを、お前は黙って見ているしかないんだ」
「……」
「試合、楽しみにしているよ。いや…円堂はすでに倒されているかも知れんが
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