決意
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と、強い責任感が感じられた。でもそうなってしまう理由も納得できる。試作クローンとはいえ、本当なら彼女達とも家族としてやっていけたはず……なのに運命と因果、陰謀によって全てが狂ってしまった。それはアリシアちゃんにとって、文字通り身を引き裂かれる思いのはずだ。何も失っていない私には……到底わからない呪いの“種”だろう。
「寿命があまり残っていない私の命は後世に混沌の種しか残していない、しかもその尻拭いを娘達に押し付ける結果となってしまった。いくら謝っても償えるものではないわ。ほんと、サバタも寿命がもう無いのにありのままの心でいられる辺り、私とは大違いね」
「…………え。ま、ママ……今なんて……?」
「サバタさんの寿命が……もう無い?」
「あっ……! そっか、あなた達は気付いていないんだったわね……。でもこれは聞こえてしまっただけだし、それに本人が伝えなかった理由を知ってるから、私が話してもいいものか……」
「ママ、お願い……話して。これ以上、真実を隠さないで……!」
「私も知りたいです。何も知らないままなのは、もう嫌です!」
「…………ま、いいか。別に私は口止めされた訳じゃないし、偶には彼の裏をかいてみるのも面白いだろうから、この際ぶっちゃけちゃっても構わないわね。と言っても全てを知ってる訳じゃないから、一部私の推測が混じるけど……それでもいい?」
「うん……」
「はい。プレシアさんの推測なら多分信用できます」
「わかった。じゃあどこから話すべきか…………ひとまず私がこの事を知ったのは、サバタが裁判の件でアレクトロ社に潜入し、ロキを倒して脱出した後よ。フェイトが浄化を行う前、エレンさんが検査魔法を使ってサバタの寿命が短い事に気付き、彼はそれを認めた。そしてサバタは……『あいつらには俺の事を気にせずに過ごしてもらいたい。それに……これは俺が選んだ道だ、後悔は無い』と言って、あなた達に黙って自分の命を使いきる決意を貫いた」
「そんな……ママ、お兄ちゃんは一体どうして……」
「ここからは私の知る情報と知識、考察を掛け合わせた推測になるんだけど……ヒトの身を蝕む暗黒物質を身体に宿し、それを使う代償でサバタの寿命は湯水のごとく削られていった。戦えば戦う程彼の命をすり減らしていった事で、世紀末世界からこちら側の地球に来た時点で残りの寿命はごくわずかだった。そして……八神はやての家で彼は闇の書の中身を壊して無力化したそうだけど、多分これは致命的な情報が欠けている。闇の書は次元世界を何度も破滅に導いた災厄のロストロギア、それを無力化するなんて彼だろうと簡単にできる事じゃない。実際に何をしたのかまでは不明だけど恐らく……彼の寿命へのリミットを決定づけた出来事だったはずよ」
「闇の書が……じゃあリインフォ
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