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リリなのinボクらの太陽サーガ
決意
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から、私達は傍に居ようと思ってるの。やっぱりあの戦いは、色んな意味で辛すぎたし……」

「あの子達?」

アリシアちゃんが口にした“あの子達”について尋ねると、苦虫を噛み潰したような顔でプレシアさんがその哀しい内容を教えてくれた。プロジェクトFATEの……フェイトちゃんが生まれる前に生み出された未完成の命……その末路。アレクトロ社で繰り広げられた、同じ存在同士での戦い。アリシアちゃんの存在から生まれる事が出来たフェイトちゃんと、生まれる事すら出来なかった13人の試作クローン。そしてアンデッド化、変異体として現れた彼女達にトドメを刺さなければならなかった、フェイトちゃんとアリシアちゃんの苦痛。かつてのプレシアさんの過ちの全てを……。

「冷静に考えてみればアリシアを蘇らせようとしていたあの時の私は、ある意味最もアリシアを殺した狂人、と言えるわね……。娘のためにと思っていた行為が、本当は娘を酷く傷つけていた。サバタのおかげで自分の行いを見つめ直せるようにはなったけど、一度犯した罪は時が経とうと……いいえ、時が経てば経つ程、私を追い詰めてくるわ……」

「方法がどうであれ、ママが私のためにやった事だからこそ、私も目を背ける訳にはいかない。こればっかりは慰めも気遣いもいらないし、ましてや許す事なんて誰にも出来ない。生きている間、存在し続ける間、私達が永遠に受けなければならない罰。そう、これこそが……テスタロッサ家の真の罪なんだよ……」

「真の……罪……」

「プロジェクトFATEは間違いなく、これから多くの悲劇を生み出してしまう。私の罪が、研究が、永久に世界を乱す……。イエガーが言っていた呪いの“種”は、確かに存在している。なにせそれを植え付けた張本人こそ、この私なのだから……」

「なのはや皆は知らないと思うけど、アレクトロ社の前の社長イエガー……イモータル・ロキは浄化される前にこう言っていたんだ。

『優秀な人造魔導師として生きるおまえ(フェイト)は、この世界における争いの“種”だ。おまえの存在をきっかけに世界は更に混沌を極め、人の手では止められない大きな戦いを招く。その時こそ、おまえは自らの意思に反する世界に対して、真に絶望するだろう! 私は地獄の底で、おまえ達が希望を失い、絶望の底に沈むのを待つとしよう。フハハハハハ!!!!』

……私もあの時は戯言だと思い込んで聞き流した。でも今回の件を目の当たりにして……この言葉にも信憑性が出てしまった。周りには気にしてない様に振る舞っていたけど、フェイトはこの言葉を強く意識しちゃってる。だから“あの子達”を倒した事は、フェイトが誰よりも責任を感じてしまうと思う。それだって本当は私が負うべき咎なのに……」

アリシアちゃんの言葉には本来の年齢には不釣り合いと言える程の深い悲壮感
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