決意
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。そこで、このデュランダルに入れておいた氷結魔法の出番だ。威力は闇の書を抑え込めるまでを想定していたから、それなりのものとなっている。消費量こそ相当なものだが、これならクロノの火力を底上げできるかと思って、ファーヴニルとの戦いに備えて渡しておこうと思ったんだ」
「そうだったんですか。さらっと毒舌を含めているのが気になりますが、お礼は言っておきます、グレアム提督。デュランダルは大事に使わせていただきます」
「ま、結局魔力を吸収されたら他のデバイス同様に使い物にならなくなるんだけどね。わっはっはっはっ!」
「ですよね! あっはっはっはっ!」
「あ、あの……クロノ君もグレアム提督も、なんで二人して現状の魔導師の自虐ネタを入れるの? しかも自棄気味に笑ってるし……」
「気にしちゃダメよ、なのはさん。これも成長だわ」
これが成長なの? クロノ君が柔軟性を身に付けてようと努力しているのは、このやり取りで十分わかるけど……。ただちょっと方向性を間違えかけているような……私の気のせいかな?
多分、ここにいてもやる事が無いので艦長室を出た後、とりあえずフェイトちゃんの様子でも見に行こうと思い、聖王教会の病院へと足を向ける。ちなみにはやてちゃんとヴィータちゃんはさっきアースラに戻って、個室で身体を休めている。無限書庫の探索で彼女達も疲れているだろうし、今行っても迷惑になるだけだろう。
聖王教会の病院の受付で、私はフェイトちゃんの友達で見舞いに来た、と伝えて立ち入り許可をもらう。容体はとっくに安定しているので、3階の日当たりの良い部屋で彼女は療養している。扉をノックすると、中からプレシアさんが「どうぞ」と言ってきたので、「失礼します」と言って部屋の中へ入る。
「いらっしゃい、なのはさん」
「こんにちは、プレシアさん、アリシアちゃん」
「こんにちは〜。ここ太陽の光が良い感じに当たって気持ち良いから、私はともかくフェイトの回復にも良い影響があると思うよね。なのはもそう思うでしょ?」
「そうだね。アリシアちゃんは太陽の使者の代弁者だし、フェイトちゃんは太陽のエナジーが使えるもんね。二人にヒーリング効果があるのは私もわかるな」
アリシアちゃんが気を遣って用意してくれた椅子に座って、私は規則正しい呼吸を繰り返しながら眠っているフェイトちゃんを見る。開いている窓から涼しい風が入って来て、部屋中に清涼感が漂う中、私はプレシアさんに尋ねる。
「あの……フェイトちゃんはまだ目を覚まさないんですか?」
「そうね。峠は越えているから、後は時間の問題よ。遅くとも数日中には目を覚ますらしいわ」
「そうですか……良かったです」
「だけどフェイトが起きた時、“あの子達”の事で改めてショックを受けるかもしれない
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