決意
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私としてはマキナがメイド服を着ても可愛いと思うんだ。まぁ、マキナの好みは基本的に動きやすい格好だから、今はTシャツにジーンズというラフな格好をしている。
まぁ、私がミスをしたのに文句を言うのは贅沢というものだ。着心地自体は悪くない……むしろ普通に快適なので、私はこの格好のまま部屋に戻った。レヴィは純粋な眼差しで可愛いと言ってきて、ディアーチェは何らかのインスピレーションを受けたのか、自作の服のデザインを描いていた。反応を見る限り、家庭的な才能があるという意味ではディアーチェも大概だと思う。
マキナはシュテルに外国語の参考書のコツを教わりに行った事で、部屋の入り口に取り残された私は何となく自分の格好を見て思う。皆が可愛いと言うなら……す、少しぐらいなら真似をしてみても良い……かな? だ、誰も見てないんだし……大丈夫だよね?
ガチャ。
「お、おかえりなさいませ……ご、ご主人さま……」
「わぁ〜シャロンさん可愛いです! 早速カメラ機能使ってみます〜♪」
カシャッ。
「シャロン……おまえ何やってるんだ?」
「え? ユーリ? 今写真……って、サバタさん!? ち、ちちちちが!? こ、これには深い訳があって!!? あぅあぅ〜!?」
「わかったから落ち着け……。そういう趣味に目覚めたならちゃんと受け入れるから、心配するな」
「目覚めてない! 目覚めてない!?」
サバタさんにだけは誤解されたくないため、こうなった経緯を説明……しようと思ったら、着替えを持って行き忘れてた話もしなければならない事に気付いた。どうしよう……私がコスプレ趣味に目覚めたと誤解されるか、それとも羞恥プレイ未遂の恥ずかしい話を伝えるか、どっちの道を選んでも何かを失いそうだった。
「………」
ああ、サバタさんが段々呆れるような眼で見て来てるよ〜! どうしよう、どうしよう……!
「まぁ、何だ。ささやかな意見だが、俺は似合ってると思うぞ。だから世間体を気にしなくても大丈夫だと思う」
「ッ……! ああもう、わかりました! 私、この趣味に目覚めました!」
半分ヤケクソに認める私だが、サバタさんが褒めてくれたのなら、まぁコスプレ趣味も悪くないかも。そうやって即座に手のひらを返した私は、このメイド服の格好を受け入れた。でも見過ごせない事が一つある。
「ユーリ、今撮った写真はすぐに消去して……」
「なんでです? せっかく可愛く撮れたんですからもったいないです! むしろ待ち受けにしちゃいますよ〜!」
買い立ての携帯電話を抱えて、ユーリはぴゅ〜っとディアーチェの後ろに走って行った。そもそもユーリに強引な行為を行えるはずもなく、逃げられた時点で私の敗北が決定した……。
「それと、明日から本格的に語学の勉強を行う。
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