決意
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にいたって訳だから、やっぱり次元世界の人間は酷いと改めて思う。
『あ、さっきシャロンの服も一緒に洗濯機に入れといたから。着替えぐらい持ってきてるだろうし、汗だくの服はさっさと洗っといた方が良いと思ったからね』
「…………」
『ん? どうしたの?』
「マキナ……私、うっかり着替え……持ってくるの忘れちゃった……!」
『えぇ〜、じゃあどうすんの? ここから部屋着がある部屋までバスタオルだけ巻いて行くの?』
「そ、そんな羞恥プレイは勘弁してほしい……!」
『冗談だよ。後で私が適当に服持ってくるから、それまで待ってて』
「ありがとう! マキナが来てくれなかったら、きっと恥ずかしい事になっていたよ」
『どういたしまして。にしても着替えを忘れるなんて、シャロンって結構抜けてる所あるよね』
カラカラと笑うマキナに、私は顔を赤くして黙るしかなかった。だってアクーナに居た11年間はずっと一人暮らしだったから、風呂上がりに着替えを用意しなくても大丈夫だった感覚が残っちゃってるんだよ。だらしないかもしれないけど、家にいる時ってのは油断しがちだからしょうがないはずだ。
という訳で私より後に来たマキナが先に上がって、私の服を持って来てくれた。おかげで無防備な姿を晒す必要は無くなったんだけど……さっき彼女が“適当”と言った時点で私は気付くべきだった。普通の服を持ってきてほしいと、指摘しなかったのだ。そのおかげで私は今、可愛らしいフリル付ミニスカートのメイド服を着用する羽目になった。胸元は開いていないけどカチューシャも付けられた辺り、本格的に着飾られてしまった訳だ。
『おぉ〜、似合ってる似合ってる。とっても可愛いよ♪』
「なんで……こんな所にメイド服があるの? しかもサイズも私にピッタリだし……」
「私が用意しておきました。シャロンに似合うと思って、密かに用意していたのです」
「シュテル!? わ、私に似合うって……そんなに?」
「ええ。毎日私達の朝食を用意してくれるようにシャロンは家庭的な能力に長けていて、基本的に控えめで一歩後ろに引いた性格に可愛らしい反応。メイドが似合う逸材だと思った私の目に狂いはありませんでした」
星が光りそうなドヤ顔でシュテルは胸を張る。その様子に私はドッと肩を落として、ため息を吐いた。
『ぶっちゃけ家政婦とか、シャロンは得意そうだもんね。おかえりなさいませ、ご主人さま〜♪ って感じで』
「いやいや、そんな事言わないよ?」
「あら、残念です。せっかくおも……じゃない、可愛いと思ったのですが……」
今、何か言い直した? ま……いつも通り無表情なシュテルだけど、どことなく落胆しているのがわかる。隣でマキナは私の格好を眺めてニヤニヤしているけど、
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