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リリなのinボクらの太陽サーガ
決意
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にクリア条件が提示されるのと同時に、仮想敵の白い格好でサブマシンガンを装備している兵士が何人も現れる。もう察しているだろうが、今から私は彼らが撃ってくる銃弾をこの刀で防ぐミッションを行う。この世界の兵士はどういうわけか当たり前にこなしているけど、とにかく今までこういった無茶振り同然な訓練をしてきたおかげで私も自分で身を守る戦術を身に付け、この“民主刀”、“共和刀”という二本の名刀が短期間で手に馴染んできていた。
だけど私は仮想敵が相手でも攻撃はあまりせず、基本的に防御に徹している。あまり、と言ったのはこれまでのミッションのクリア条件の中には攻撃しないと駄目なものがあったからで、その時は峰打ちでどうにかしてきた。ただ、結局それは刃物で斬る代わりに鈍器で殴っている訳だから、気分のいいものではなかった。無論、必要に駆られれば私も戦わなければならないのは理解している。しかし気分的には相手を攻撃して倒すよりも、こういうクリア条件の方が楽だ。

ドドドドドドドドッ!!

スタートした直後から兵士達は容赦なくこちらへ発砲し、数えきれない大量の銃弾が迫ってくる。流石に全て対処しきれない事で私は走りながら、自分に当たりそうなものを見切って刀で弾き、その度に金属音が響き渡る。一応、VR訓練だから撃たれても死ぬことは無いが、電気で同じだけの痛みを与えてくるので必死にもなる。それに私はまだ一人分のサブマシンガンしか対処が間に合った事が無いので、いつもならVR空間上の遮蔽物などを使って身を隠したり、敵を気絶させて会敵する数を減らしたりしている。

でも今回は流石に難しかった。遮蔽物がほとんど無いから、自然と複数の攻撃に対応しなくちゃいけない。足を止めたらそれこそただの的になるため、軌道を読まれないように飛び回りながら、銃弾を弾いてカウントを稼いでいる。時々間に合わなかった銃弾が私の体を貫き、仮想ダメージによる痛みが伝わるものの、集中を切らさずに刀を振るい続ける。そうやって忍耐強く地道に防ぎ続けた結果、クリア条件の数に達し、ミッションを達成する事が出来た。

「体がちょっとビリビリする……ここまで来ると、訓練も結構キツくなってくるね」

だけどもし皆が戦いに行った際、足手まといにだけはなりたくない。最低限自分を守れるだけの力は身に付けておかないと、サバタさんやマキナ、ディアーチェ達の迷惑になってしまう。やっと心を寄せられる仲間が出来たのだから、それだけはどうしても嫌だ。
気持ちを奮い立たせて、息を整えた私は早速次のミッションに挑む。手にある刀が青い光を発する中、私の訓練はさっき作った海苔巻きを含む昼食をはさんで夕方まで続けられるのだった。激しい動きを何度も繰り返した事で全身が汗びっしょりになったので、さっぱりするためにも訓練場の隣にあるシャワー室を使わせてもらっ
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