決意
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ースさんやヴィータちゃん達ヴォルケンリッターは知っているんですか? はやてちゃんにこの事を知らせず、隠しているんですか?」
「どうでしょうね……当時のリインフォースは闇の書に囚われていたらしいから、もしかしたら事実を知っているかもしれない。一方でこれまでの様子を見る限り、ヴォルケンリッターは八神はやてと同様に何も教えられてないと思うわ。だって夜天の書を取り巻く呪いを取り払う行為が、結果的に彼の命を奪う事に繋がってしまった。こんな残酷な真実を、彼女達が受け止められると思う?」
「それは……無理だと思う。はやては自分のせいで家族が傷つく事を嫌がるのに、ましてやお兄ちゃんの命にタイムリミットを設けてしまったのが自分だなんて、絶対耐え切れない苦しみになる。下手をすればこの真実を知った瞬間、勢い余って心中しかねないよ……」
「そうか……だからサバタさんは隠したんだ……はやてちゃんに自分の命を奪う事の罪の意識を与えない様に。はやてちゃんを生かすために、全ての真実を抱えたまま……」
「いや……多分お兄ちゃんはそういう事は考えていないよ。未来に皆の命を繋ぐために、持てる限りの闇を背負って逝くつもりなんだ。だからもうお兄ちゃんの換算に、残り僅かな自分の命は入っていない……」
哀しい……あまりに哀しい事実。なんであれだけ人の未来に尽くしている人間が死ななければならないのか、なんで彼はその事実を知っているのにありのままでいられるのか、なんでそんな人を管理局が指名手配するのか、私にはわからなかった。私には……どうしてもわからない! なんで……どうして……! 疑問は次々と出て来る、でも答えが見つからない! 何とか助けられないのか、どうにかして命を救えないのか、そう思っても何も方法が見つからなかった!
「なんでサバタさんは……そこまで自分の命を使いきれるの……どうして!?」
「……お兄ちゃんだから……だよ。なのは……」
「ッ!? フェイトちゃん!?」
静かに目を覚ましたフェイトちゃんが、私の漏らした疑問に答える。私達が彼女の回復に喜んだのもつかの間、泣きそうな眼で彼女は次の句を告げる。
「お兄ちゃんは誰かのためじゃない、自分のやりたいように生きている。その結果、助かる人間が現れるだけ。一見自分の事しか考えていない風に聞こえるけど、実際は違う。法も理屈も信念も越えて、悲しみを止めたいから戦う、未来を守りたいから救う、そうやって生きている。誰かに言われてやるんじゃなくて、自分の意思で戦っているから最期まで疑問を抱かず心のまま戦い続けられる。だからこそそれは、法的組織である管理局には受け入れられなかったんだ。本当は最も人間らしい意志なのに、人の意識を統治、統制する事を望む管理局とは相容れられなかった。目指している平和は同じはずなの
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