決意
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〜〜Side of シャロン〜〜
サバタさん特製激辛麻婆豆腐を食べた事で、さっきから口の中が辛いのなんの……という訳で部屋に戻った私はお口直しに手軽なクレープを全員に作ってあげた。レヴィは甘い物という事ですっごく喜んでくれたため、見てて微笑ましかった。ただ……今日はなんか食べてばっかりだなぁ。まだお腹はたるんでないけど、午前中だけで摂取したカロリーを軽く計算してみたら、少し寒気がしてきた。
「これはちょっと女の子として危機感を覚えるかも……」
「焦らずともシャロンは十分魅力的だと思うが?」
「またそうやってサバタさんは女の子が喜ぶ言葉を的確に放ってくるから、こっちもうっかり油断しちゃいそうになる……」
「?」
サバタさんは訳がわからないと言いたげに首を傾げるが、女というのは普通、男から褒められるとどうしても簡単に喜んじゃうんだよね……。だけど今は気付きにくい……というか気付かせないようにしているから、サバタさんですらわからないのも納得できる。ひとまず午後はある程度身体を動かしておこうかな。これでもスタイル維持には気を付けているタイプだから。
さて……さっきから無駄に元気が有り余っているのと、摂取したカロリーを消費するために身体を動かそうと思った私は後片付けを終えてからVR訓練場へと向かう事に決めた。ちなみにディアーチェは料理に目覚めたのか部屋でレシピ本を読み漁り、レヴィは最近はまっている日本製アニメや特撮を見ていて、シュテルは皆に先んじて外国語の自習をしている。そしてマキナは何やらウェアウルフ社の特別訓練に混じって、黒い背広を着たお爺さんからクイックドロウのコツと跳弾の技能を教わっている。それにしてもあのお爺さん、離れててもわかる程の凄い貫禄のある雰囲気が漂っているんだけど……まさかね?
「あ、ちょっと待て、シャロン。今の内に少し訊きたい」
ユーリと約束した携帯電話の購入に出かける準備をしているサバタさんが、訓練場に向かおうとした私を呼び止めた。なんか赤黒いカードを使って残高を確認しているみたいだけど、他にも何らかの入力をしながら彼は私に奇妙な事を尋ねてきた。
「最近、何か気になるような事は無いか?」
「え? まぁ、ファーヴニルの事以外では特にないけど……」
「わかった、それならいい。引き留めてすまなかった」
「別に気にしてない。それよりどうしてそんな事を?」
「…………いや、シャロンがこの生活に不備を感じていないか、それを知りたかっただけだ。仕方なかった点もあるが、俺は最初、シャロンの意思を確認せずにここに招いた。やはり何か不満があるかもしれんから、少し気になったんだ」
「あ、なんだ……。安心して、サバタさん。私はあなたやマキナ、ディアーチェ達と一緒にいるこの生活を本
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