第3話 遺跡出現までの10日間【1日目】 その1
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、あんたぐらいの身長ならこれぐらいでいいだろう」
そう言いながら2着分の服を手渡そうとしてきたので僕は焦って右手に握った麻袋の中から銀貨30枚を渡す。
「あそこで着替えれるぞ……着替えて来い」
試着室だろうカーテンがかかっている所をおじさんが指さす。
「は、はい!」
僕手に持ったアイスル牛の串焼きをテーブルに置き、テーブルに乗った防具を抱えると急いで試着室に駆け込んだ。
☆ ☆ ☆
「いい格好になったじゃないか」
「あ、ありがとうございます」
試着室から出てきた僕を武器屋のおじさんは満足そうに眺める。
「あんた、武器は持ってないがどうするんだ?」
「大丈夫です、僕は常に武器を持ってますから」
「?」
僕の答えに武器屋のおじさんは不思議そうな表情をする。
「この両手です」
僕が両手をひらひらさせると親方はフムとうなずく。
「体術使いか……。だがナイフぐらいは持っておいたほうがいいと思うぞ、モンスターから素材を剥ぎ取ったりするときに便利だからな」
「な、なるほど……じゃあナイフ一本ください」
「銀貨3枚だ」
「はい!」
僕は武器屋のおじさんに銀貨を渡すとおじさんはナイフを渡してくれた。
「そこの腰にさせるだろう」
「あ、ほんとだ」
防具の腰の部分にナイフが差せるようになっている。僕はそこにナイフを刺すと『アイスル牛』の串焼きが入った紙袋とお金と服の入った麻袋を両手に持つ。(金貨の入った革袋は腰のポーチにしまってある)
「色々とありがとうございました」
「待て坊主」
「?」
僕がぺこりと頭を下げると武器屋のおじさんが呼び留める。
「ちょっと古くなっているがまだまだ使えるはずだ」
「あ、ありがとうございます……」
武器屋のおじさんに布のマントを掛けてもらいながら僕はお礼を言う。
「では」
「また来いよ」
「はい!」
ちょっとテンションの上がった僕は元気に返事をすると武器屋さんを後にした。
「さて、これからどうしよう……」
少し冷えたアイスル牛の串焼きを紙袋から出して頬張りながら僕は適当に城下町をぶらついていた。
「ん?」
ふと僕の目にお店が目に入った。道具屋さんかな……? ロープやランタン等々冒険用のアイテムがいっぱい並んでいる。
「あの〜……」
「いらっしゃい……ませ」
店の前まで行くと中からちょっと大きな茶色のケモ耳を生やしたオレンジ色の髪の女の子が出てきた。後ろにはちゃんとふさふさのしっぽがついてい
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