第3話 遺跡出現までの10日間【1日目】 その1
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か?」
「は、はい……」
恐らくなれない武器を使っても荷物になるだけだろう。そう思った僕はとりあえず防具だけ注文する。というかこの人は僕を見ても全然驚かないな……いや、興味がないだけだろうか……。
「予算は?」
「金貨10枚ぐらいなんですけど」
「!?」
僕の言葉におじさんは目を見開く。
「なにか……?」
「い、いや。若いのにそんな大金持ってるなんてな……少し驚いた。金貨10枚なら結構いいものが揃えれるはずだ。何か希望とかあるか?」
「希望……?」
スキンヘッドをポリポリと描きながら店内を見回して聞いてくる。
「おう、例えばそうだな……素材は何がいい? 金属類を使えば防御力は上がるが動きが鈍くなって疲れやすくなる。モンスターの毛皮などを使えば動きやすく疲れにくくなるが防御力は下がる、まあこんなところだな」
「フムフム」
このおじさん顔は悪人面だけど結構親切に教えてくれるな……。
「じゃあ素材は革の物でお願いします」
「わかった、ちょっとまってろ」
僕の言葉にスキンヘッドのおじさんは短く答えると部屋の奥へと入っていった。
――――――――――5分後――――――――――
「うわぁ……」
狭い店内に一つだけ置かれたテーブルに並べられた防具に僕は目を輝かせる。かっこいい……まるでゲームの世界だ……。
「胸と腰と足には『コルモオオトカゲ』の皮を使っている。胸と足の要所は『ドラマジロ』の甲殻を張ってあるぞ、そこそこの防御力があるはずだ。腕は小手の部分を『アイスル鉱』でしっかりと補強してある」
「こ、これが金貨10枚ですか……!」
「いや、ほんとは11枚ぐらいの価値があるんだが……あんたはお得意さんになりそうだからな…少し安くしておく」
「あ、ありがとうございます!」
「フフ、いいってことよ。あんたみたいな瞳をした若者久しぶりに見たからな。少し応援してやりたくなった。あと服はいいのか? 見たところゴブリンの返り血で汚れているようだが……」
僕が革袋から出した金貨を受け取りながら武器屋のおじさんが聞いてきた。
「あ、服も買わないといけない……服屋さんってどこにあるかわかりますか?」
「冒険者用の服なら俺の店でも扱ってるぞ」
「おぉ……一着いくらですか?」
僕の質問に武器屋のおじさんはテーブルの下に置いてある木の箱の中から何着か服を取り出しながら言った。
「上着とズボンがそれぞれ銀貨10枚だ、少し根が張るが丈夫で選択してもすぐ乾くぞ。買うなら上下セットで銀貨15枚にしてやる」
「2着買いたいです」
「わかった
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