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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-33
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「本当に行くの? 別に無理しなくてもいいんだよ?」
そう束に心配される蓮。それでも彼の意思はとても堅かった。
「別に無理はしてないよ。いずれ一度は行っておかないといけなかったし、何よりも自分の心の整理もつく」
「そ、そう? それならいいんだけど……でも、人はどうするの? 私も行くけど、さすがに二人だと全部終わるのに何日かかるか……」
「……それもそうだな。…………あまり気が進まないけど、織斑たちを呼ぼうと思う」
「……いいの? なにもあいつらを呼ぶことはないんじゃないかな」
「いや、それでいいさ。一度だけ、友達という仲良しごっこをしてみたいしな」
そう言った蓮の顔はニヒルな笑みを浮かべていた。束は呆れて溜め息をつく。基本的に蓮の言うことには苦言を呈するものの、従う彼女は結局蓮の言うとおりに動いてしまうのだ。それは今回も同じであった。
一夏には蓮が自分で話を通すことにして、どうせ箒もセシリアもシャルロットもくるだろう。鈴音に関しては、元々こちら側の人間だからついてこない理由がない。蓮か束のどちらかが命令すればそれに従わざるを得ないのだから。
ラウラに関しては、ドイツに帰らせることにした。そこで彼女の亡国機業としてのすべてが終わる。テロリストのラウラからただの学生ラウラに帰依するのだ。そもそもラウラは都合のいい存在としてしか二人は見ていなかったのだから悲しい話である。ラウラの蓮への呼び方も勝手にやっていたこと、義妹というわけでもないし、特別な関係にあるわけがない。
……話がずれていた。取り敢えず、役立たずはいらないということである。
そんなことがあった数日後、蓮と束。それにプラスして一夏と箒、セシリアと鈴にシャルロットの七人が東京駅の新幹線のホームにいた。
まさか蓮からちょっとした旅行に誘ってもらえるとは思ってもいなかった一夏たちは見るからに目を輝かせていた。箒は少し束がいることもあってか遠慮しがちだが、その束は全く箒のことを見ていなかった。
彼らが新幹線に乗り込み、移動している間に今回の目的について説明しておこうと思う。
東北の北端。青森県にある蓮の実家に帰省するのが主な目的である。幼いころに両親を亡くしてから天涯孤独である彼には莫大な遺産が残っていた。だがそれは、金に目がくらんだ親戚どもに自分が生活して幾分と家を残してすべて分け与えた。蓮が家から離れている間は、金に興味なんて欠片もなく、心から親切に接してくれた親戚に管理を任せているが、その親戚も最近色々と怪しい。この前束に頼んで確認してきてもらったが、今年に入ってから全くと言っていいほど手が入ってなく、家の中は埃塗れ。庭は雑草が覆い茂り、酷い有様だという。それでこの際、自分できれいにしようというと思
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