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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-33
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て隠れるためにいる訳じゃないしね」
「そんなわけ……っ」
「あるよ。……司法取引を知っているかしら?」
「司法、取引?」
「ええそうよ。罪人に交換条件を付けてその人の罪を軽く、またはなかったことにするものよ」
「そんなの有り得ないっ」
「有り得るのよ。あなたの持つ正義がこの世の正義なわけがない。世界……国連軍は、私を殺せないからそれを持ちかけた。そして私は乗った。その内容までは話せないけど、これで私は晴れて無罪放免」
「そ、そんな……」


 からだの力が抜けて膝から床についた箒。それを心配して駆け寄るのはセシリアとシャルロットだけ。実の姉である束が妹のもとへ駆け寄らないことに彼女たち三人は疑問を持つべきだったのだ。
 三人を尻目にお湯につかる麗菜。気持ちよさそうに身体を伸ばすと視線を箒の方に向けた。


 ――ゾクゥッ!!
 そんな視線に鈴音は恐怖を感じ取る。あの視線、というよりは目。あの目は見たことがある。あれは連夜束が赤の他人に向けるような、この世のものとして認識していないような目。鳥肌が泡立つように立つのを他人のことのように認識していた。


「――――あら? どうしたの? そんな怯えた顔をして、仲間(・・)なんだから仲良くしましょ?」
「は、はい」


 身と心を休める場であるはずの風呂場なのに生きた心地がしなかった。
 もしあの時、束の手を取っていなかったら私はこれから起こることで命を落としていたかもしれない。彼女は本能的にそう思った。


ちなみに彼女たちが風呂から上がって、険悪な雰囲気なのを感じ取れなかった一夏は、気まずさしかなかったらしい。
風呂も蓮が一夏と入るわけもなく、一夏、蓮の順で済ませた。
楽しいものになると思っていたのに、一日目の夜はかなり、いや、まったく会話のないものとなった。







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